専攻/講座/分野 共生文明学/現代文明論/文明構造論
総人学系 国際文明学
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Message to the prospective students

【研究室を目指す皆さんに】 私自身の研究のベースは世紀転換期ヴィーンを中心とするドイツ語文学ですが、研究室の院生諸君の研究対象は、ムージル、ユンガー、キェルケゴール、フレーベル、シェリング、リルケ、カネッティ等、多種多様です。小規模ながらきわめて優秀な院生たちが切磋琢磨している研究室で、いまどき珍しくも古風な〈学問する場〉を形成しています。知的好奇心と自分の問題意識を持っている人であれば、おそらく周囲からの刺激を受けつつ、思う存分高水準の研究生活をおくることができるでしょう。

【研究室便り】 OBの須藤秀平君(ロマン派研究)が福岡大学に、稲葉瑛志君(E・ユンガー/C・シュミット研究)が三重大学に就職しました。それぞれの地での今後の活躍を期待しています。また、的場敦也君(D2)がキェルケゴール研究で新たに学振特別研究員(DC2)に採用されました。川野正嗣君(D3)は研究プロジェクト「ナチズムとフマニスムス」のRAを、津田拓人君(D3)は院演習「ムージルにおける愛の問題」のTAを、白坂彩乃さん(M2)は学部演習「リルケの〈所有なき愛〉とムージルの〈遙かな愛〉」のTAを、中村徳仁君(M2)は学部リレー講義「ヨーロッパ近代の理念」のTAを務めてくれています。OBの横道誠君は京都府立大学(准教授)でグリム研究に従事し、恒木健太郎君は専修大学(准教授)で経済思想史研究に従事する傍ら、最近はテレビのコメンテーターもしているとか。西村木綿さん(学振PD)はイディッシュ研究を継続し、西井美幸さん(ヘルダリン研究)、石澤将人君(フンボルト研究)、鈴木啓峻君(トーマス・マン研究)は京大等の非常勤講師を務めながら博士論文の完成を目指しています。森雄大君(M2)はイェーナ大学に留学して2年目。修士課程には総合人間学部から小川侑己君を新たに迎えました。皆さんの今後の発展を願っています。(2019年4月)
研究分野 ドイツ・オーストリア文学、中欧精神史
キーワード 可能性感覚、ユートピア、ヴィーン(ウィーン)、オーストリア、中欧、教養、大衆、群衆、保守革命、ナチズム、人文主義、愛、神秘主義
研究テーマ 世紀転換期ヴィーンの文学および旧ハープスブルク帝国の文化に関心を寄せつつ、ムージルの「可能性感覚」の系譜を古代から現代までたどる仕事をしてきました。その後、「中欧における教養の精神史」の探究に転じ、フンボルトを起点とする近代ドイツ精神史の展開を追っています。フンボルトの理念に刻印された〈現実を超越する意識〉としての教養が、時の流れのなかで衰弱し、現実となれあい始めたとき、思想家や詩人たちはさまざまな形でその流れに抗しようとしました。その抵抗と反逆の記録として、シュティフター、ブルクハルト、ニーチェ、ヴェーバー、ホーフマンスタール、ムージル、オルテガ、クルツィウス、カネッティを読むことができます。その延長線上で現在は「ナチズムと人文主義」をテーマにシュペングラー、ユンガー、トーマス・マンらを読み進める傍ら、「愛と神秘主義」をテーマにムージル、リルケらの愛の観念にひそむ超越的精神の研究に取り組んでいます。
代表的著書,論文等 『可能性感覚――中欧におけるもうひとつの精神史』松籟社、2003 [毎日新聞(富山太佳夫氏)、京都新聞(高田里恵子氏)、書標(福嶋聡氏)、SPA!(福嶋聡氏)、週刊読書人(池上純一氏)、図書新聞(鎌田道生氏)、ワセダ・ブレッター(相澤正己氏)、人環フォーラム(小野紀明氏)、Neue Beitraege zur Germanistik(Prof. Nanao HAYASAKA)、DeLi(北島玲子氏)に書評。『みすず』で坂部恵氏の「2003年の3冊」、『図書新聞』で島谷謙氏の「2004年上半期の3冊」に採録。日本独文学会賞、オーストリア文学研究会賞受賞。]
『ムージル 思惟する感覚』鳥影社、1995(共著)
エーバーハルト・ヒルシャー『文学的世界像――七人のドイツの作家たち』エディションq、1995(共訳) [週刊読書人(高本研一氏)に書評]
『その時、何歳だったのか』学燈社、2005(共著)[出版ニュース(齋藤愼爾氏)に書評]
『読むためのドイツ語文法』郁文堂、2013(共著) [毎日新聞(青野由利氏)で言及]
『原発のない暮らし――ドイツの選択』郁文堂、2018(共著)
所属学会,その他の研究活動等 日本独文学会、オーストリア文学会、Internationale Robert-Musil-Gesellschaft、社会思想史学会
担当授業
  • 学部 国際文明学入門、文明構造論IV、文明構造論演習IV
  • 大学院修士課程 現代文明基礎論、文明相関論2、文明構造論演習4
  • 大学院博士課程 共生文明学特別研究、文明構造論特別演習、現代文明論特別セミナー
  • 全学共通科目 ドイツ語
経歴等 1955年愛媛県松山市生まれ。大江健三郎の母校でもある松山東高校を卒業後、京都大学教育学部に入学。が、ブーバーとリルケにかぶれ、文学部独文科へ。卒論はムージルの『テルレス』。文学研究科に進学し、修論はムージルの“Vereinigungen“。さらに博士課程に進み、D3の途中で奈良女子大学文学部に就職。いい学生たちに恵まれ快適な5年半を過ごすが、1992年に京大教養部へ移る。以後、教養部→総合人間学部→人間・環境学研究科と改組の荒波にのまれ、今日にいたる。途中、2000年3月から10ヶ月間ヴィーン大学で在外研究。
このような経歴をたどってきましたが、振り返るに私の原点にあるのは、中学1年のときに読んだ北杜夫の『どくとるマンボウ青春記』ではなかったかと思います。「プラハの春」がソ連軍の戦車によって蹂躙された1968年の夏、騒然とする世界のただなかで鬱屈した日々を送っていた私は、この書によって旧制高校の存在を知り、旧制高校生が愛した「教養」=〈現実を超越する意識〉に憧憬の念を抱きました。「教育」学部から「独文」科へ、ムージル研究から教養の精神史へという道筋も、この憧憬に導かれてのことだったかと今にして思います。

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