専攻/講座/分野 相関環境学/分子・生命環境論/生命環境相関論
総人学系
所属機関/部局 放射線生物研究センター
電子メール jkobayashi at house.rbc.kyoto-u.ac.jp
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Message to the prospective students

◆研究室を目指す皆さんに
生物は電離放射線、紫外線、活性酸素などの様々な環境ストレスからDNA損傷をはじめとする生体損傷を受けるが、生物が長年の進化の過程で多様なDNA損傷に対する修復機構など様々な対抗手段を獲得してきた。私の研究室では、このような放射線障害・ゲノムストレスに対抗するために高等真核生物がもつ防御機構の解明を目的として、放射線高感受性遺伝病及びその原因遺伝子に着目して研究を行っている。また、福島原子力発電所事故以降、社会的関心が高まる低線量放射線生体影響の実体について精力的に解明を試みている。
私の研究室では生命の不思議に興味を持ち、自分で考えることが好きであり、社会的な課題である低線量放射線生物影響研究、国際的な課題である放射線高感受性遺伝病の病態解明に対して、使命感をもって研究に積極的に取り組める大学院生を募集します。
研究分野 放射線生物学、細胞生物学、生化学
キーワード 放射線、DNA損傷、DNA修復、細胞周期、酸化ストレス、遺伝的多様性
研究テーマ  電離放射線は生物の遺伝情報が収納されるゲノムDNAに損傷を誘発するが、細胞はDNA損傷が発生すると適切に応答し、損傷DNAを修復してゲノム情報を安定に維持している。これらの機構は環境中の紫外線、活性酸素、化学物質など様々なゲノムストレスによる細胞応答経路とも共通性が見られることから、私の研究室では放射線をはじめ、様々なゲノムストレスに対抗するための、高等真核生物がもつゲノム安定性維持機構・発癌防御機構の解明を目的とし、放射線高感受性遺伝病及びその責任遺伝子に着目し、下記の主要テーマで研究を行ってきている。
【主要研究テーマ】
1.放射線高感受性遺伝病原因遺伝子の機能の解明
 放射線高感受性遺伝病の一つ、MRE11ヌクレアーゼを欠損したATLD病に着目して、従来知られる放射線誘発DNA損傷応答への役割だけでなく、複製ストレスにおける役割、ウイルス・細菌DNAの細胞質侵入の検知センサーとしての機能を報告してきており、酸化ストレス応答における役割も含め、MRE11の多様な機能についての解析を行っている。また、ATLD病と類似した他の放射線高感受性遺伝病についても解析を行っている。
2.低線量(率)放射線の生物影響の解明
 放射線はゲノムDNAにDNA損傷を誘発するとともに、細胞内の活性酸素種(ROS)増加を誘引する。低線量(率)放射線ではDNA損傷よりもROSの影響が高いと考えられ、ROSを通した低線量放射線生体影響について解析している。
3.DNA修復能と霊長類の遺伝的多様性との関係の解明
 放射線・ゲノムストレスに対抗するDNA修復能は遺伝子異常・発がんを防ぐ上で重要であるが、その活性が高すぎるのは進化における遺伝的多様性を生み出す上で不利であり、それらの相互関をを霊長類細胞を対象に解析している。

*下記アドレスの京大OPEN COURSEWAREで一般向けセミナーで私の研究を紹介したビデオを見ることができます。
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/opencourse/31/20141205-2
代表的著書,論文等 Saito Y, Zhou H, Kobayashi J. Chromatin modification and NBS1: their relationship in DNA double-strand break repair. Genes Genet Syst. 90, 195-208, 2016.
Su F, Mukherjee S, Yang Y, Mori E, Bhattacharya S, Kobayashi J, Yannone SY, Chen DJ, Asaithamby A. Nonenzymatic Role for WRN in Preserving Nascent DNA Strands after Replication Stress. Cell reports 9, 1387-1401, 2014.
Yoshiyama KO, Kobayashi J, Ogita N, Ueda M, Kimura S, Maki H, Umeda M. ATM-mediated phosphorylation of SOG1 is essential for the DNA damage response in Arabidopsis. EMBO Rep, 14, 817-822, 2013.
Kobayashi J, Fujimoto H, Sato J, Hayashi I, Burma S, Matsuura S, Chen DJ, Komatsu K. Nucleolin participates in DNA double-strand break-induced damage response through MDC1-dependent pathway. PLoS One, 7, e49245 2012.
Yanagihara H, Kobayashi J, Tateishi S, Kato A, Matsuura S, Tauchi H, Yamada K, Takezawa J, Sugasawa K, Masutani C, Hanaoka F, Weemaes CM, Mori T, Zou L, Komatsu K. NBS1 Recruits RAD18 via a RAD6-like Domain and Regulates Pol η-Dependent Translesion DNA Synthesis. Mol Cell, 43, 788-797, 2011.
Tauchi H, Kobayashi J, Morishima K, van Gent DC, Shiraishi T, Verkaik NS, vanHeems D, Ito E, Nakamura A, Sonoda E, Takata M, Takeda S, Matsuura S, Komatsu K. Nbs1 is essential for DNA repair by homologous recombination in higher vertebrate cells. Nature, 420, 93 - 98, 2002.
所属学会,その他の研究活動等 日本放射線影響学会、日本分子生物学会、日本生化学会、日本癌学会
担当授業
  • 学部
  • 大学院修士課程 ゲノム修復動態学
    生命環境相関論演習1
    生命環境相関論演習2
  • 大学院博士課程 相関環境学特別研究I
    相関環境学特別研究II
    生命環境相関論特別演習1
    生命環境相関論特別演習2
  • 全学共通科目
経歴等 学歴
1989年 関西学院大学理学部化学科卒業
1991年 関西学院大学大学院理学研究科修士課程修了(理学修士)
1994年 広島大学大学院医学系研究科修了、博士(薬学)取得
職歴
1994年~1997年 工業技術院生命工学工業技術研究所COE特別研究員
1997年 広島大学歯学部助手(~2005年)
2002年~2004年 ローレンスバークレー国立研究所(アメリカ合衆国・バークレー市)ポスドク研究員
2005年 京都大学放射線生物研究センター助教
2011年〜 京都大学放射線生物研究センター准教授
2015年〜 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(協力教員)

小林 純也 (こばやし  じゅんや)准教授へメールで連絡する




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