共生人間学専攻 数理科学講座 現象数理論分野 角大輝 教授 (平成29年4月1日着任予定)
研究の概要   物事がある規則に従って時間とともに変化していく様子を探る分野、いわゆる「力学系理論」と、細部を拡大すると全体と似るような複雑で興味深い図形を扱う「フラクタル幾何学」を研究する。さらには、測度論的・統計的に力学系を扱うエルゴード理論の研究も行う。特に、複素平面上やまたはリーマン球面上での複素多項式写像、あるいは有理写像の反復合成による点列の振る舞いを見る「複素力学系」を多く扱う。また、複数の写像から確率的に写像を選択して点を動かしていくシステムを扱うランダム(複素)力学系理論を基礎から開拓し、発展させている。力学系においてはときに予測不可能とも思える複雑な点の動きが現れ、それを「カオス」とよぶ。ランダム力学系ではランダム性の効果によりカオス的なものが弱まってカオスと秩序の間のグラデーションが生じるような場合も観察されている。その端的な現象として、ある場所へ収束する確率を表す関数が連続だがフラクタル集合上でのみ変化するような場合も発見されており、そのようなランダム力学系におけるランダム性がもたらす新しい現象を深く研究していく。さらには、複数の写像で生成された半群の不変集合を扱う「反復関数系」も研究する。フラクタル集合についてはハウスドルフ次元や位相的な性質を調べる。複素解析学、測度論、エルゴード理論、確率論、幾何学、位相幾何学などを用いて、上記のすべての分野を同時に扱い、互いに交錯させながら多角的かつ総合的な研究を行っていく。

共生人間学専攻 言語科学講座 言語情報科学分野 守田貴弘 准教授 (平成29年4月1日着任予定)
研究の概要   言語は個別社会での慣習であると同時に,人類に普遍的かつ人類に固有のシステムでもある.別の角度から言うならば,言語は「どこにあるのか」という問いに「社会」と答える人もれば,「ヒトの心,つまり脳」と答える人もいる.このように,言語をめぐっては特殊性と普遍性が常に問題となる.このような観点のもとで言語に向き合っているのが大まかな姿勢なのだが,より具体的には,個別言語に関してはフランス語の研究を中心に行っており,言語を問わず意味論・語用論,形態論,統語論に基づく機能的類型論も専門としている.理論的な研究を目的とする場合には専門言語は問わずに,個別言語学を目的とするときにはフランス語か近縁の言語であれば研究指導することができる.また,機能的類型論とも密接に関わる問題として「言語と思考」の関係を扱う言語相対性仮説にも,哲学的あるいは認知科学的観点から取り組んでいるため,関連事象に興味を持つ学生に対しても研究指導することができる.

共生文明学専攻 歴史文化社会論講座 東アジア文化論分野 松江崇 准教授 (平成29年4月1日着任予定)
研究の概要   中国文化の言語・文字面における特徴を解き明かすことを目的として、古代中国語にみられる文法現象の分析や漢字の文字論的検討を行う。主に春秋戦国期から唐宋期にかけての文献言語、とりわけ早期漢訳仏典や敦煌変文などの口語的色彩の強い文献の言語を考察の対象とすることにより、古代中国における書面語と口語との相互依存的な関係性、漢字と語彙形式との複雑で可変的な繋がりを浮かび上がらせる。そしてそのような中国文化の言語・文字面での特徴を生ぜしめた文化的背景まで視野を広げられるよう研究指導を行っていく。

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