修士課程2回生のDong Weikangさん(吉田寿雄研究室)がPost symposium of TOCAT10でOutstanding Research Awardを受賞しました

大学院生
研究

Dong Weikang(董 偉康)さん(修士課程2回生 物質科学講座 吉田寿雄研究室)が、2026年8月25日にPost symposium of TOCAT10にてOutstanding Research Awardを受賞しました.Dongさんの研究題目と研究概要は次のとおりです.

研究題目: "Development of heteroatom-doped calcium titanate photocatalysts for visible-light water splitting"
研究概要:  太陽光を利用して水から「グリーン水素」を製造する光触媒水分解は,地球温暖化対策に資する人工光合成技術として期待されています.しかし,これまで開発されてきた多くの光触媒は,太陽光に数%程度しか含まれていない紫外光にしか応答しないため,太陽光を十分に活用できていないことが課題となっています.
 紫外光以外を利用する光触媒の例として,チタン酸ストロンチウム(SrTiO3) にクロムを添加すると,可視光により水分解を進行させうることが報告されています.しかしチタン酸ストロンチウムには,原材料のストロンチウムの地殻中の存在量が少ないなどの問題があります.一方,チタン酸カルシウム(CaTiO3)は資源的に豊富なカルシウムから構成されるため,これを光触媒として用い可視光応答化することは,低コストな光触媒材料の選択肢を広げる上で重要です.本研究では,クロムを添加したCaTiO3が可視光照射下で全水分解反応を進行させることを初めて見いだしました.また,その水分解活性をさらに向上させるために,クロム添加量率や調製条件の触媒活性への影響を検討しました.
 本研究では,固相反応法で一度CaTiO3を合成した後,塩化ナトリウムによる溶融塩処理を行う二段階合成法を採用しました.またその処理過程において,使用する塩化ナトリウムとクロム化合物の量を最適化することで,可視光照射下においても,犠牲剤を用いずに水を水素と酸素に分解する「水の完全分解」を高効率に進行させるCaTiO3光触媒の調製に成功しました.
 本研究は,安価な元素を用いた可視光応答型光触媒の設計指針を示すものであり,グリーン水素製造技術の発展に寄与すると期待されます.

DongさんOutStanding Research Award賞状
人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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