浅野研究科長

人間・環境学研究科 研究科長
総合人間学部 学部長
浅野耕太

 

人間・環境学研究科棟

 吉田山麓、五山の送り火で知られる東山如意ヶ嶽の大の字を望む吉田南構内に所在する、人間・環境学研究科は 2023年4月1日より、学術越境を旗印に新たな一歩を踏み出します。

 ふるきを辿れば、明治 2 年に大阪に置かれた舎密局(せいみきょく)、洋学校そして自由の校風で知られる旧制第三高等学校へとつながるのが京都大学の旧教養部です。その教員組織を母体に、1991年に学部を持たない独立した大学院人間・環境学研究科が、翌1992年に京都大学の第10番目の学部として総合人間学部が設置されました。爾来、大学院人間・環境学研究科と総合人間学部は緊密な連携をとり、先端的な学術研究、学部・大学院の高度な教育、多彩な地域貢献を行ってきました。やがて両部局は2003年に一体化され、人間・環境学研究科は総合人間学部を学部とする大学院となりました。またこの教員組織は、人文、社会、自然科学の広範な専門分野において、京都大学の全学生に向け教養教育・基礎教育の授業も担当しています。

総合人間学部棟

 京都大学における大学院人間・環境学研究科の草創は、学問が専門分野ごとに細分化され、深化してゆく一方で、社会の急激な変化に伴って、新たに生まれた、あるいは深刻さを増しつつある諸課題に果敢に挑戦していくため、専門分野の垣根を越えた交流が必要であるという時代の要請に基づくものでした。

 この時代の要請は今となっても決して過去のものとはならず、ますます強くなっているとさえ思えます。時代の要請にこたえ、社会課題の解決につながる教育研究が一層促進されるように、このたび専攻の垣根をなくし、講座を再編するとともに、学術越境の触媒役を担う学術越境センターを設置しました。センターの名称に掲げた学術越境は、学際融合 とは異なり、新たな専門分野を生み出すことを目指すのではなく、人間・ 環境学研究科が尊重してきた専門分野を今まで以上に深く極めたうえで、従来の専門分野の枠組みに拘泥せず、その境界をしなやかに越え、課題解決のために連携しようとするものです。

 大学院人間・環境学研究科は、専門分野において独創的な研究を遂行しうる能力に加えて、既存の知の体系に安住するのではなく、創造的越境をなしうる知的軽やかさを備えた人物を育成することを目指します。

人間・環境学研究科パンフレット
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