ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

 総合人間学部は、人間と文明と自然との新たな結びつきを見出す「人間の学」の創出をめざしています。また、この学問的追究を通して、高い倫理性と幅広い視野から創造的かつ持続的に現代の諸問題と向き合い、多様な人々と協働しながらリーダーシップを発揮する人を育成することを目的としています。これを達成するため、以下の点に到達した者に総合人間学部学士号を授与します。

  1. 総合人間学部が提供する学際的な学問の場において、人文科学・社会科学・自然科学を横断する幅広い知識と教養を身につけていること。
  2. 他者や異文化に対する理解を深めた上で、自らの見解を形成し、それを豊かに表現するプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、ならびにリーダーシップを培っていること。
  3. 多様な学問分野を学ぶ中で、自らの知的な核となる特定の分野を選択し、その理解を深めていること。
  4. 主たる専門分野とは異なる、もう一つの分野も重点的に学ぶことによって、人間・文明・自然に対する、多角的な視点や柔軟な発想力を培っていること。
  5. 卒業論文・卒業研究において、問題の設定からその解決方法の提示に至る研究過程に取り組み、一定の成果を上げていること。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

 総合人間学部では、新たなる「人間の学」の創出を主軸として、卒業の認定に関する方針に示した目的を達成するために、多様な学問分野を網羅する教員陣のもとで、教養教育・基礎教育と専門教育を体系的に一体化したカリキュラムを提供します。比較的近しい学問分野で構成する学系を複数設置し、各学系のコースツリーならびに個別の学問分野の履修モデルを提示することにより、カリキュラム体系の構成を具体的に示します。講義や演習等として行われる個々の授業科目の内容および、定期試験・レポート・平常点による評価方法の詳細については、シラバスに記載します。
 総合人間学部に所属する学生には、以下の指針に従って自律的に学修することを求めます。

  1. 文理にまたがる多様な教養・基礎科目、複数の学系の入門科目、複数の外国語科目等を幅広く学び、人間・文明・自然に対する幅広い知識と理解力を修得し、豊かな人間性と高い倫理性を育む。
  2. ゼミ・演習等の少人数科目を履修し、教養・基礎から専門の領域にわたる知識と能力を濃密な議論の中で培うとともに、他者に自らの見解を表現するためのプレゼンテーション能力および対話能力を身につける。
  3. 学年の進行とともに、自らの学問的関心に応じて一つの学系を主専攻として選択して系統的に学び、自らの知的な核となる専門性を修得する。
  4. 主専攻とは異なる学問分野を副専攻として系統的に学び、自らの専門分野に捉われない柔軟で重層的な思考力を養う。
  5. 主専攻の分野において指導教員を選び、そのもとで卒業論文・卒業研究に取り組む。学修成果は複数の教員により審査される。こうした研究過程を通して、専門性を深めるとともに、現代の諸問題の解決に挑戦する創造的姿勢と持続力を育む。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

 総合人間学部は、たえまなく変化する現代社会における人間と文明と自然の新たな結びつきを見出すために、人文科学、社会科学、自然科学を横断する「人間の学」の創出をめざしています。この挑戦に積極的に加わろうとする志をもつ人、高い倫理性と豊かな人間性を持ちつつ、国際的視野から人類が直面する様々な課題に向きあおうとする進取の精神をもつ人、持続的で創造的な取り組みを支える教養を身につけたいと考える人を本学部は求めます。
 総合人間学部が入学を希望する人に求めるものは、高等学校の教育課程の教科・科目を広く修得し、自らが学ぼうとする分野の基礎となる知識を身に付けていることに加えて、その内容を活用する主体的な思考力・判断力・表現力、そして他者と協働しながら学ぶ態度です。
 総合人間学部の入学者選抜は、京都大学の一般選抜において、文系試験と理系試験の2つに分けて実施し、多様な基礎的学力を測ります。また本学部独自の特色入試では、高等学校における学びの成果、基礎的学力とともに、文系と理系の総合的な思考力・表現力を評価します。これらの入試においては、総合的な学力の評価を行うために大学入学共通テストの成績を取り入れ、合否判定を行っています。

人間・環境学研究科パンフレット
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