言語理論、言語記述、言語教育・外国語学習への応用から、言語の諸側面にアプローチし、言語の本質を多角的に捉える
アメリカの空港の保安検査場での 多言語表記 |
- 生成文法、認知言語学、言語類型論などの理論言語学研究
- 個別言語を対象とした記述的研究および通時的研究・言語教育
- 外国語学習への応用的研究
言語は人間の最大の特質であり、さまざまな知的な営みに欠かすことのできないものです。本講座は、多角的に言語の本質を理解するため、理論言語学、個別言語・記述言語研究、言語教育の各領域を三本柱として研究を展開しています。理論言語学の領域では、生成文法、認知言語学、言語類型論、相互行為言語学、コーパス言語学などのアプローチにより、言語の認知的・社会的機能を明らかにすることを目的として研究を行っています。個別言語・記述言語研究の領域では、英語やドイツ語、フランス語、ロシア語などの言語を対象とし、歴史的な成立過程の調査や言語間での比較・対照を行うことにより、言語の普遍性と多様性について探求しています。言語教育の領域では、主に英語やスペイン語、日本語といった言語を外国語として習得する際に学習者が直面する課題に取り組み、外国語学習のメカニズムやプロセス、制度を認知的・心理的・社会的観点から研究しています。
教員紹介
河﨑 靖 教授, 谷口 一美 教授, 塚原 信行 教授, 守田 貴弘 教授, 柳瀬 陽介 教授, デビッド ・ ダルスキー 准教授, ギンズバーグ ジェイソン 准教授, ピーターソン マーク 准教授, 金丸 敏幸 准教授, 笹尾 洋介 准教授, 中森 誉之 准教授, 西脇 麻衣子 准教授, 堀口 大樹 准教授, 横森 大輔 准教授 |
河﨑 靖 教授
印欧語の世界を視野において、ことばの普遍性・体系性を明らかにすることを目標とする。言語学の諸分野(音論・形態論・統語論等の諸領域)を対象に言語体系の普遍的な法則性を探るべく通時的共時的考究を進める。ことばの諸相を考究することによって多様性の背後に見え隠れする言語の普遍的特質を探り言語の本質に迫る。
谷口 一美 教授
言語現象が認知的・心理学的作用と深い相互作用にあるとみなす、「認知言語学」の立場から研究を行っている。特に、英語や日本語の文法構文の成立を事態概念・事態解釈の観点から分析する「認知文法」や「構文文法」、メタファーやメトニミーといった比喩的意味拡張のメカニズムを探求する「認知意味論」の分野で、幅広く言語事象の分析を行っている。近年は特に、英語の動詞の自他交替および中間動詞構文の成立について、こどもの言語習得のプロセスから観察を行っている。
塚原 信行 教授
もっぱらマイノリティ言語を対象に、現地調査を中心として、「言語と政治」「言語と社会」といった観点の研究を行っています。一見すると言語教育とあまり関係がないと思われるかもしれませんが、実は深い関係があります。人間にとっての言語、あるいは社会にとっての言語をどのようなものと捉えるかによって、言語教育の方法論や制度は全く異なったものになってしまうからです。例えば、言語を単なるコミュニケーションの道具としてしか捉えないのであれば、コミュニケーションでよく使われる言語(通用度の高い言語)の教育についてスキルの観点からのみ論じればよく、かなり的を絞った議論となります。しかし、言語を共同体の紐帯として、あるいはアイデンティティの源泉(の1つ)として理解するなら、「どの言語を、どうやって、いつ、誰が、誰に、どこで教えるのか」ということを様々な要素を絡めて検討する必要がでてきます。
マイノリティ言語を対象とするのは、こうした問題(群)が、より先鋭的に現れる(現れざるを得ない)からです。その「先鋭さ」は、マジョリティ言語を対象としていたのでは見過ごしてしまう、言語教育上の豊富な視点をしばしばもたらします。授業や個別指導においては、こうした視点をわかちあうことに重点を置いています。守田 貴弘 教授
専門は機能的類型論と呼ばれる分野であり,その中でフランス語と日本語を中心に扱っています.現在は言語の中に含まれる指標性 (indexicality) に関心があり,指示詞やジェスチャーも含めたダイクシスの分析を中心に研究を行っています.
柳瀬 陽介 教授
私の専門は、哲学的な言語教育学です。具体的には、日本における英語教育を対象とした研究をしています。哲学的枠組みとしては、ウィトゲンシュタイン、アレントなどの哲学や、ルーマン(理論社会学)やダマシオ、トノーニ、バレット(神経科学)、あるいはブルーナー(文化心理学)などの哲学的考察を利用しています。哲学的概念を使うことにより、理論的研究、実践的研究、および両者を架橋する研究を行っています。
デビッド ・ ダルスキー 准教授
I'm currently interested in applying social psychology through team learning and an educational philosophy called Exploratory Practice to understand indigenous (emic) psychology concepts via virtual intercultural exchanges with students and teachers in Japan, China, Germany, and Indonesia. I use "virtual intercultural fieldwork" as a methodology to theorize and practice a pedagogy of transcultural understanding.
ギンズバーグ ジェイソン 准教授
私の専門は統語論(生成文法)であり、主にコンピュータモデルを使って、言語学理論の計算論的モデリングを研究しています。主に、英語と日本語を対象に研究をしていますがどの言語に於ける現象も研究対象です。
ピーターソン マーク 准教授
computer assisted language learning(CALL)
For further information see my home page
at: http://www.users.iimc.kyoto-u.ac.jp/~z59316/金丸 敏幸 准教授
これまで先生の勘や経験に基づいて作成されることが多かった言語学習教材に、コーパス分析の知見や自然言語処理技術を導入することで、より効果的な言語学習環境を構築することを目指して研究しています。コーパス言語学や認知言語学をはじめとする理論言語学、構文解析や重要表現抽出などの自然言語処理、指導法理論や学習評価などを考慮した言語教育学、これらの領域を有機的に結びつける研究に関心のある方をお待ちしています。
笹尾 洋介 准教授
外国語教育および学習における諸課題について,理論と実践の両方を視野に入れながら,実証データに基づいた研究を行っています。 I am conducting research on second/foreign language education and learning based on empirical evidence, and am trying to contribute to both the theories and the practices in this field.
中森 誉之 准教授
次の分野について,理論研究を中心として探究しています。
(1)母語習得および外国語学習のメカニズム。
(2)聴覚・視覚・触覚による言語認識のメカニズム。
(3)言語と音楽の認知メカニズム。
(4)Multimodal/Multisensory教授学習支援システム。
(5)理論的基盤を持つ英語カリキュラム設計(指導・練習・活動・評価)。
協力・連携研究教育機関は,国立特別支援教育総合研究所,生理学研究所,NHK放送技術研究所,工学系大学及びメーカー等です。
こうした研究の成果を,教育や福祉など,広く社会へ還元しています。西脇 麻衣子 准教授
堀口 大樹 准教授
横森 大輔 准教授
「言葉のちょっとした形式の違いがコミュニケーションにどのような違いをもたらすか」そして「言葉の形式上の特徴はコミュニケーションのどのような特徴に動機づけられているのか」という問題意識のもと、相互行為言語学 (Interactional Linguistics) の立場から、日本語や英語の日常会話ならびに様々な制度的場面の録音・録画データの分析を行っている。
人間・環境学専攻 | ||
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