宮下研究科長

大学院人間・環境学研究科 研究科長
総合人間学部 学部長
宮下英明

 

人間・環境学研究科棟

 京都大学大学院人間・環境学研究科は、旧制第三高等学校を継承する京都大学教養部の廃止に伴い、教養部の教員組織を母体にして1991年に学部をもたない独立研究科として設置されました。2003年には、同じく教養部を母体として1992年に京都大学の第10番目の学部として設置された総合人間学部と一体化され、総合人間学部とともに運営される大学院となっています。人間・環境学研究科の殆どの教員は、人文科学・社会科学・自然科学の広範な専門分野における学術研究に加え、総合人間学部および人間・環境学研究科における教育、京都大学の全学生に向けた教養教育・基礎教育・語学教育の授業も担当しています。人間・環境学研究科では、「専門学術教育と高等普通教育」を柱とした第三高等学校の理念が、時代に即して発展しながら脈々と受け継がれています。

総合人間学部棟

 我々が生きる二十一世紀は、「人類の持続的発展」を脅かす地球環境の変動、資源・エネルギーの欠乏、地域紛争、社会格差、人口爆発、高齢化、グローバル化など極めて多岐にわたる流動的で複雑な問題に直面しています。また、AI技術の急速な発展に伴い、情報のあり方やそれに伴って生じる課題も大きく変化しています。激動する社会において、高い倫理性と強い責任感をもって調和のとれた社会の構築に貢献するためには、自らの強みとなる高い専門性と問題解決能力を身につける必要があります。同時に、その専門に安住し閉じこもることなく、人文科学・社会科学・自然科学を横断する幅広い知識と教養に基づいた多角的な視点や柔軟な発想力、他者や異文化に対する理解、強いリーダーシップなどが必要になります。

 本研究科では、2023年より、1専攻の下に専門性の近い教員で構成される10の講座を置く新たな体制を整備いたしました。講座において高い専門性を磨き、さらに専門分野の垣根を越えた越境を通して、単なる知の交流に留まらず、知と知の化学反応により新たなパラダイムを自ら構築することになります。本研究科のアドミッション・ポリシーには『「人間・環境学研究科」の名称にある「・」は、加算的な意味合いの「・」ではなく、乗算的な意味合いのそれである。』と書かれています。この「・」に込められた本研究科の設置趣旨を発展的に受け継いだ新たな試みが動き出しています。

人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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