2023年10月26日に第84回国際交流セミナー "Blindspot: Hidden biases of good people"を開催しました。
講師
Dr. Mahzarin R. Banaji
(マーザリン・R.バナージ博士)
Richard Clarke Cabot Professor of Social Ethics Harvard University
(ハーバード大学心理学部リチャード・クラーク・カボット社会的倫理学教授)
演題
"Blindspot: Hidden biases of good people"
講演内容
10月26日(木)の16時45分から18時15分過ぎまで、人間・環境学研究科棟の地下大講義室において、第84回人間・環境学研究科国際交流セミナーを開催しました。今回のセミナーは人間・環境学研究科附属学術越境センターとの共催として、大学院科目「学術越境研究計画1,2」の一部としても開催され、32名の参加がありました。今回のセミナーでは本研究科の招聘研究者であるHarvard大学Banaji教授による"Blindspot: Hidden biases of good people"と銘打たれた講演を実施しました。Banaji教授は、心理学を専門としない学生や研究者に向けて、具体例やデモンストレーションをふんだんに使いながら、教授の主要な研究テーマである社会的認知における潜在的バイアスについてわかりやすく解説されました。男女の平等は一般的には現代社会で幅広く受け入れられてはいるものの、Banaji教授のグループが開発した潜在連合テスト(Implicit Association Test, IAT)を用いたところ、我々は潜在的にさまざまなバイアスを持っているという結果が得られたことが説明されました。講演の中では男性と仕事、女性と家事の連合を示すIATのデモンストレーションが行われ、そうしたバイアスの強さを実感することができました。また講演では、Harvard大学がかつては限られた高校の男子生徒しか受け入れていなかった歴史に触れながら、長期的には社会の常識は大きく変動すること、したがって現代社会で常識と思われていることが、遠い将来には極めて奇異なものと捉えられる可能性があるというお話が印象的でした。講演会後は対面で懇親会が行われ、Banaji教授と多くの院生、学部生の間で飲食を交えて活発な交流が行われました。
セミナーの様子
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