修士1回生の浪花晋平さん(吉田寿雄研究室)が第36回光がかかわる触媒化学シンポジウムで「優秀ポスター賞」を受賞しました
平成29年6月30日に東大阪市で行われた「第36回光がかかわる触媒化学シンポジウム」において、相関環境学専攻 物質相関論講座 修士1回生の浪花晋平さん(吉田寿雄研究室)が「優秀ポスター賞」を受賞しました。浪花さんの発表内容は「酸化チタン光触媒を用いた含窒素芳香族化合物の選択的クロスカップリング」です。 |
研究の概要:「酸化チタン光触媒を用いた含窒素芳香族化合物の選択的クロスカップリング」
光を当てれば何かが起こる,それが光触媒研究の面白さです. 光触媒を使えば通常の触媒では起こせないような難しい反応も容易に起こすことができます. これまで我々の研究室では,酸化チタン光触媒を用いた様々な新しい反応を開発してきました.今回我々は,酸化チタン光触媒を用いて,ピリジンなどの含窒素芳香族化合物と炭化水素を,余分なものを使うことなく,可視光照射下で選択的に直接つなげることに成功しました.
本来,酸化チタンは可視光照射下では光触媒として働くことができないので,何か特別なことが起こっているのではないかと思い,反応がなぜ進行したのかをさらに詳しく調べました.その結果,ピリジンと酸化チタンが作る表面錯合体とも呼べるものが,可視光照射下で光エネルギーを受けて働いたことによって反応が進行していることが示唆されました.つまりこの反応は,これまでの酸化チタンを用いた光触媒反応とは全く異なるメカニズムで進むものであり,酸化チタンによる光触媒反応の体系に新たな可能性を示したことになります.