博士2回生のTyagi Akankshaさん(吉田寿雄研究室)が第6回CSJ化学フェスタ2016で「優秀ポスター発表賞」を受賞しました

2016年11月14日から16日にかけて東京都江戸川区「タワーホール船堀」にて開催された第6回CSJ化学フェスタ2016において、相関環境学専攻 物質相関論講座 博士2回生のTyagi Akankshaさん(吉田寿雄研究室)が「優秀ポスター発表賞」を受賞しました。Tyagiさんの発表内容は「Bifunctional Role of Metal on TiO2 in Photocatalytic Cross-Coupling Between Cyclohexane and THF (和訳:シクロヘキサンとテトラヒドロフランの光触媒的クロスカップリング反応における添加金属の二元機能)」です。

Tyagiさん賞状

研究の概要:「シクロヘキサンとテトラヒドロフランの光触媒的クロスカップリング反応における添加金属の二元機能」
光触媒は従来の触媒とは全く異なった反応機構により化学反応を促進するので,これまでにはないような新規な化学反応を促進することができます.これは光触媒の持つ魅力的な機能のうちの一つです.このことによって,温和な条件で,余分な化学物質を使用しないシンプルな化学反応,すなわち地球にやさしい化学反応を創生することも可能といえます.最近,わたしたちの研究室では,貴金属ナノ粒子を添加した酸化チタン光触媒を用いて,いくつもの新しい光触媒反応の開発に成功してきましたが,添加した貴金属ナノ粒子がどのように働いているかについては不明な点が多く残っていました.そこで本研究では,シクロヘキサンとテトラヒドロフランのカップリング反応において白金ナノ粒子の機能をいくつかの実験により検討しました.その結果,白金ナノ粒子は,光によって励起した電子が元の状態に戻ってしまう(電子正孔の再結合)のを防ぐ機能と,安定なシクロヘキサンを触媒的に活性化させる役割との,二つの機能を併せ持つことが明らかになりました.光触媒と白金ナノ粒子とが協働して化学反応を促進することによって,新しい化学反応が可能となることが示されました.

人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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