加藤真教授が第27回南方熊楠賞(自然科学の部)を受賞しました

加藤真教授(相関環境学専攻、自然環境動態論講座)が第27回南方熊楠賞(自然科学の部)を受賞しました。同賞は、南方熊楠翁の功績を顕彰するため、翁の研究対象であった民族学的分野、博物学的分野の研究に顕著な業績のあった研究に、南方熊楠顕彰会から贈られる賞です。なお授賞式は、5月13日に和歌山県田辺市の紀南文化会館で開催されました。

研究の概要
加藤教授は、昆虫と植物など、多様な生物が複雑に絡み合う共生関係を解き明かし、生態学研究を大きく発展させてきたことに加え、森林、干潟、湿地などさまざまな生態系が、多様な共生関係で成り立っていることを明らかにすることによって、生物多様性、生態系の保全にも貢献してきました。特に、裸子植物グネツムにおける虫媒の発見や、カンコノキ属における、世界で三番目の絶対送粉共生系(植物が、ただ1種の種子食性昆虫によって特異的に送粉される系で、これまでイチジク属とユッカ属で知られていました)の発見は、大きな先駆的功績となっています。さらに加藤教授は『日本の渚−失われ行く海辺の自然』や『生命は細部に宿りたまう−ミクロハビタットの小宇宙』などの一般書の上梓によって、生物多様性や生態系の価値やかけがえのなさを広く社会に訴えてきました。また生態学・進化学で活躍する多くの若手研究者が加藤教授の研究室から巣立っています。これらの功績が認められたことから、今回の受賞となりました。

キバカンコノキの雌花と、それに産卵しているカキバカンコノキハナホソガの雌成虫

(写真の説明) カキバカンコノキの雌花と、それに産卵しているカキバカンコノキハナホソガの雌成虫。このガはカキバカンコノキの唯一の送粉者(能動的に授粉をします)で、その幼虫はカキバカンコノキの種子だけを食べて育ちます。このような1対1の共生関係を絶対送粉共生と呼びます。
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