修士1回生の高見大地さん(吉田寿雄研究室)が第37回光がかかわる触媒化学シンポジウムで「優秀ポスター賞」を受賞しました
2018年7月6日に近畿大学で行われた第37回光がかかわる触媒化学シンポジウムにおいて,相関環境学専攻 物質相関論講座 修士1回生の高見大地さん(吉田寿雄研究室)が「優秀ポスター賞」を受賞しました.高見さんの発表内容は「可視光照射低温メタンドライリフォーミング反応」でした. |
研究の概要:「可視光照射低温メタンドライリフォーミング反応」
持続可能な社会の実現のためにはエネルギー問題を解決することが必要であり,とくに太陽のエネルギーをうまく利用する方法を見つけ出すことが求められています.太陽エネルギーの利用方法の典型例として太陽光発電が挙げられますが,それだけではなく多様な方法で太陽エネルギーを活用することが望まれています.そのようなことから,化学物質を作り出す触媒化学プロセスにおいても光を使った光触媒プロセスの開発が注目されています.
メタンドライリフォーミングという触媒反応では,温室効果ガスである二酸化炭素CO2とメタンCH4を化学的に反応させることで,一酸化炭素COと水素H2を得ることができます.H2はクリーンなエネルギーとして注目されています.またCOとH2の混合気体は,様々な化学物質を作るための有用な原料となります.このようにメタンドライリフォーミング反応は,CO2とCH4という温室効果ガスを削減し,同時に有用な化学物質を作り出せることから,環境とエネルギーの問題の解決に貢献できる魅力的な反応です.しかし同反応を進行させるために従来から知られている触媒を使った場合には多くの熱エネルギーが必要なことが難点でした.
本研究では,メタンドライリフォーミング反応を進行させることができる光触媒を新たに開発し,以前に報告したものよりも1000倍もの変換効率を達成しました.今回の成果により,太陽エネルギーを有効に活用し社会に貢献できる光触媒プロセスの実用化に一歩近づいたといえます.