博士後期課程1回生の今村仁美さん(吉田寿雄研究室)が第123回触媒討論会で学生ポスター発表賞を受賞しました
相関環境学専攻 物質相関論講座 物質機能相関論分野の博士後期課程1回生の今村仁美さん(吉田寿雄研究室)が2019年3月21日に大阪市立大学で行われた第123回触媒討論会において学生ポスター発表賞を受賞しました.今村さんの発表内容は「シリカ修飾酸化チタン光触媒によるベンゼンのアミノ化反応」でした。 研究概要:「シリカ修飾酸化チタン光触媒によるベンゼンのアミノ化反応」 酸化チタン光触媒を用いて水溶液中で有機分子を化学変換しようとしたとき,光照射によって超親水的な性質をもつようになる酸化チタン光触媒は,主に水分子に覆われていると考えられます.私たちは,有機物は水に覆われた光触媒表面に近づきにくく,このことが光触媒反応が進行しにくいことの原因となっているのではないかという仮説を立てました. この仮説のもとで,本研究では光触媒反応の進行を効率化することを目的として,酸化チタンを疎水性のシリカで部分的に被覆したシリカコート酸化チタンを合成しました.シリカコート酸化チタンは,親水性である酸化チタン表面と,疎水性であるシリカ表面をあわせもち,親水性の分子と疎水性の分子の両方を引き寄せることができ,酸化チタン表面近くで効率よく反応が進行することが期待されます. 実際に,このシリカコート酸化チタン光触媒をベンゼンのアミノ化反応に用いたところ,反応は効率よく進行し,アニリンへの収率および選択率が向上することを見出しました.この研究で得られた知見は,一般に水溶液中での有機物の光触媒反応に広く応用できると考えられます. |