博士後期課程2回生のYajuan Zouさん(小松直樹研究室)E-MRS 2019 Spring meetingでGraduate Student Awardを受賞しました
相関環境学専攻 分子・生命環境論講座 分子環境相関論分野の博士後期課程2回生のYajuan Zouさん(小松直樹研究室)が2019年5月27〜31日にニース(フランス)で開催されたThe 2019 Spring Meeting of the European Materials Research Society (E-MRS) の Symposium L: New Strategies for Smart Biointerfaces において Graduate Student Award を受賞しました.Zou さんの発表内容は「Polyglycerol grafted nanoparticles improve stealth effect by resisting protein corona formation: A comparison study to PEG」でした. 研究概要:「Polyglycerol grafted nanoparticles improve stealth effect by resisting protein corona formation: A comparison study to PEG」 ナノ粒子を生体応用する際には表面化学修飾によって粒子を被覆することが必要となります.これまでは,ナノ粒子の表面修飾にはポリエチレングリコール(PEG)と呼ばれる高分子が世界標準として使用されてきました.本研究では、そのPEGと小松研究室で用いられてきたポリグリセロール(PG)を比較しました.まず,タンパク質との複合体(コロナ)を形成するかどうかを調べたところ,PEGではタンパク質コロナの形成が見られたのに対して,PGでは全く見られませんでした.さらにマクロファージによる摂取についても,PEGに比べPGでは全くナノ粒子の摂取が観察されませんでした.以上の結果から,PGで被覆されたナノ粒子は優れたステルス能(肝臓などによる捕捉を回避する能力)を有すると考えられ,この発見は今後のナノ医療に大きな変革をもたらすと期待されます. |
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