修士課程1回生の石田達拡さん(吉田鉄平研究室)が第33回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムで学生発表賞を受賞しました


相関環境学専攻 物質相関論講座の修士課程1回生の石田達拡さん(吉田鉄平研究室)が令和2年(2020年)1月10日~12日にウインクあいち(愛知県産業労働センター)で開催された第33回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムにおいて学生発表賞を受賞しました.石田さんの演題は「BaIr2Ge7の角度分解光電子分光」でした.

研究概要:BaIr2Ge7の角度分解光電子分光」
 β-パイロクロア酸化物やクラスレート化合物,スクッテルダイト化合物が示す超伝導は従来とは異なる発現機構を有すると考えられています.これらの化合物では籠状構造の形成する平坦なポテンシャルにより,籠に内包されたゲスト原子が非調和振動を行い,伝導電子と強い電子-格子相互作用を引き起こす可能性が指摘されています.なかでもBaIr2Ge7はTc = 2.5 K の超伝導を示し,比熱測定ではゲスト原子のBaによる非調和振動が観測されています.しかし,この物質に関する実験報告は少なく,非調和振動による電子-格子相互作用の有無も明らかになっていません.
 本研究ではBaIr2Ge7の物性に寄与しているフェルミ面の形状を観測することを目的として,Photon Factory BL-28Aにおいて角度分解光電子分光を行い,観測された結果と第一原理計算との比較を行いました.その結果,BaIr2Ge7は強いスピン-軌道相互作用を反映した3次元的な電子状態を有していることが明らかになりました.今後は,光電子スペクトルの温度変化を詳細に調べることにより,本研究の成果が,非調和振動による強い電子-格子相互作用の解明につながると期待されます.

石田達拡さん JSR2020 学生発表賞 賞状

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