博士後期課程1回生の北川裕貴さん(田部勢津久研究室)が第80回応用物理学会で講演奨励賞を受賞しました

相関環境学専攻 物質相関論講座の博士後期課程1回生の北川裕貴さん(田部勢津久研究室 学振DC1研究員)が令和元年(2019年)9/18-21に北海道大学札幌キャンパスで開催された第80回応用物理学会秋季学術講演会において、講演奨励賞を受賞しました。同講演会には約6,000名が参加し,4,000件以上におよぶ講演と活発な討論が行なわれ,中でも応用物理学の視点から極めて価値のある一般講演論文を発表した若手会員に対して講演奨励賞が授与されます。受賞対象となった講演は「YSiO2Nが有する低/高対称性Y3+サイト中におけるEu3+5D07F2電気双極子遷移確率の評価」でした。

研究概要:「YSiO2Nが有する低/高対称性Y3+サイト中におけるEu3+5D07F2電気双極子遷移確率の評価」
現在普及している白色発光ダイオード(LED)の演色性向上を目指し、本研究では近紫外線で励起可能な新規3価ユウロピウムイオン(Eu3+)賦活赤色酸窒化物蛍光体を開発し、その発光特性について報告してきました。この蛍光体では、Eu3+まわりの局所構造が酸化物イオンと窒化物イオンという異種のアニオンに配位された複合アニオン配位子場となっているとなっているため、電気双極子遷移に帰属される赤色発光が大幅に増強されていると考えられます。しかし発光スペクトルの形状から、Eu3+まわりの局所構造対称性にバリエーションがあることが示唆されていました。本研究では、極低温(20 K)での詳細な光物性評価により、Eu3+が2種類の結晶学的に異なる配位環境を持ち、その違いが反転中心の有無であることを実験的に示しました。また光学遷移強度に関する定量的理論に基づく解析により、反転中心のない配位環境にあるEu3+は反転中心のある配位環境中に比べて10倍以上強い発光を示すことがわかりました。本研究成果は、Eu3+を発光中心イオンとした新規赤色蛍光体の開発における材料設計指針に新たな知見を与えるものです。

北川裕貴さん 講演奨励賞 賞状

English