博士後期課程3回生の丁在瑛さん(藤田健一研究室)が日本化学会第101春季年会で優秀講演賞(産業)を受賞しました
丁在瑛さん(博士後期課程3回生、分子・生命環境論講座、藤田健一研究室)が、日本化学会第101春季年会において優秀講演賞(産業)を受賞しました。発表タイトルは「含窒素複素環カルベン配位子を有するイリジウム触媒を用いたアルコールの高効率的ジメチルアミノ化反応」でした。この「優秀講演賞(産業)」は、「産業に対する寄与が期待される基礎的または応用的な概念、アイディア、実験手法、実験結果などについての発表であり、発表者の研究に対する主体性や貢献度が優れ、なおかつ今後の研究活動の一層の発展の可能性を有すると期待されるもの」に対して日本化学会長名で表彰されます。 なお、日本化学会春季年会は、化学に関する学術の進歩普及・産業の発展および生活の向上を狙いとして、およそ化学という言葉が包括するあらゆる学問領域や分野からの研究者が一堂に会して日頃の研究成果を発表する場であり、その討論を通じて学術交流を奨励・促進する場です。 研究概要:「含窒素複素環カルベン配位子を有するイリジウム触媒を用いたアルコールの高効率的ジメチルアミノ化反応」 ジメチルアミン誘導体は天然物や生理活性物質によく見出される構造であり、農薬、材料、医薬に至る様々な分野で応用されています。しかし、従来の合成法は選択性が低く、毒性試薬の使用と多量の廃棄物が発生するなど、環境調和性の点で問題がありました。 本研究では、含窒素複素環カルベン配位子を持つイリジウム触媒を用い、取り扱いが簡単で、経済性に優れたジメチルアミン水溶液を原料とするジメチルアミノ化反応を開発しました。この研究成果ならびに丁在瑛さんによる発表は、優秀講演賞(産業)としての表彰に相応しいと認められました。 |