博士後期課程1回生の前田仁暉さん(高妻洋成研究室)が第11回日本考古学協会賞(優秀論文賞)を受賞しました

 前田仁暉さん(博士後期課程1回生 共生文明学専攻 文化・地域環境論講座 高妻洋成研究室)が第11回日本考古学協会賞(優秀論文賞)を受賞しました。日本考古学協会賞は、考古学上の業績および関連諸分野における考古学関係の業績を賞するもので、日本考古学協会の毎年の総会において授与されています。優秀論文賞は、協会機関誌に発表した原著論文において独創的で将来性が認められ、編集委員会から推薦された優れた業績に対して授与されるもので、前田さんは初めて学生での受賞となりました。

  • 前田仁暉 2019「横槌・掛矢の機能論-近畿地域の原始・古代を中心に-」『日本考古学』第49号 吉川弘文館 1-21頁
    第11回日本考古学協会賞

研究概要: 「横槌・掛矢の機能論-近畿地域の原始・古代を中心に-」
原始から現代の民具に至るまで長く使用されてきた木製の槌である横槌・掛矢は、形態がシンプルであるがゆえに、考古学的な分類や編年が進まず、出土資料に基づいた詳細な機能の推定は行われてきませんでした。そのような現状に対し、本研究では、近畿地方の横槌・掛矢を集成し、主に握り部の長さに着目して定量的な分類を行ったうえで、樹種や使用痕からそれぞれの分類について機能を推定しました。その結果、横槌・掛矢の機能は祭祀具等の象徴的機能、藁打ち等の農具的機能、杭打ち等の工具的機能に3大別できることを示し、それぞれを「横槌形」「横槌」「掛矢」とみなしました。さらに、それらの歴史的な変遷過程を検討することにより、横槌や掛矢の消長が弥生時代の水稲農耕や古代の木材利用の変化と関連することを考察しました。本研究によって、原始・古代の日本列島における生業活動や木工活動の一端を明らかにすることに繋がる重要な成果が得られたといえます。

前田さん 優秀論文賞 賞状
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