博士後期課程3回生の北川裕貴さん(田部勢津久研究室)が日本セラミックス協会第34回秋季シンポジウムで優秀発表賞を受賞しました

北川裕貴さん(博士後期課程3回生,学振DC1研究員,相関環境学専攻 物質相関論講座 田部勢津久研究室)が,令和3年9月1日から3日の3日間にわたり開催された日本セラミックス協会(会員数4千人)第34回秋季シンポジウムの「複合イオン化合物の創製とキャラクタリゼーション」セッションにおいて,優秀発表者賞を受賞しました.北川さんの口頭発表の題目は「酸塩化物Ca3WO5Cl2における電荷移動遷移発光の物性評価」でした.

研究概要:「酸塩化物Ca3WO5Cl2における電荷移動遷移発光の物性評価」
タングステン(W)を含む化合物は,紫外線を当てると高効率な可視発光を示すことは古くから知られており,X線やガンマ線を検知するシンチレータとして応用されています.多くのタングステン酸化物では,WO42−四面体やWO66−八面体が発光中心となります.吸収・発光波長はタングステンまわりの結晶場強度により変動しますが,対称性の高い四面体や八面体では大幅な波長シフトは困難です.本研究では,タングステン周りの配位環境が特異的な四方ピラミッド型となる酸塩化物Ca3WO5Cl2の発光に着目しました.実験的な物性評価と第一原理分子軌道計算によって,WO54−四方ピラミッドの電子構造および発光にかかわる電子遷移の帰属を明らかにしました.実験と計算による複合的な視点からの考察によって,WO54−では結晶場によって吸収エネルギーは大きくなり,励起状態のアニオンのシフトが大きいことによって発光エネルギーは小さくなることが示唆されました.本研究成果は,これまでのタングステン化合物における発光挙動の考察に新たな知見を与え,今後の材料探索に大きく貢献するものです.
北川裕貴さん 優秀発表賞 賞状

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