博士後期課程1回生の藤井慧さん(立木秀樹研究室)が第48回ゲーム情報学研究会にて若手奨励賞を受賞しました

藤井慧さん(博士後期課程1回生 共生人間学専攻 数理科学講座 立木秀樹研究室)が、情報処理学会の第48回ゲーム情報学研究会にて若手奨励賞を受賞しました。藤井さんの発表タイトルは「ゲームAIの局所戦略のSHAPによる説明」でした。

研究概要:「ゲームAIの局所戦略のSHAPによる説明」
 本研究は、ゲームAIの戦略を説明可能にすることを目的としています。本研究が対象とするゲームとは、ボードゲームやデジタルゲームなどのエンタテインメントや知的な勝負を目的とする、いわゆる一般的なゲームのみを指すのではありません。企業・国家間の競争のように、複数の主体が相互に影響し合うさまざまな実世界の状況がゲームとしてモデル化できるため、本研究の成果には多くの応用が期待できます。
 近年の機械学習技術の急激な発展によって、さまざまなゲームにおいてAIが人間を大きく上回る程に性能を向上させています。将棋などでは、AIの手筋を参考にして上達を図るプロ選手が続々と登場してきており、このようにAIの意思決定を人間が学ぶ動向はこれからも急速に拡大していくと考えられます。
 一方で、こういったAIは自身の戦略を人間に説明することを前提として設計されていないため、現状では人間は強力なAIの戦略を「見て盗む」ことが精一杯です。そのため、こういったAIの意思決定プロセスを人間に解釈可能にするための手法が求められています。
 本研究では、SHAPと呼ばれる手法を応用し、AIの意思決定に対して局面のどの要素がどの程度関わっているかを定量化することにより、AIの着手を説明するようにしました。本研究で提案したAIの戦略の説明には数学的にいくつかの好ましい性質が備わっており、実験においても直感的に妥当な値が得られました。
藤井慧さん 若手研究奨励賞 賞状

 

人間・環境学研究科パンフレット
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