博士後期課程2回生のHamada A. EL-Naggarさん(吉田寿雄研究室)がOKCAT2023にてOutstanding Research Awardを受賞しました

Hamada A. EL-Naggarさん(博士後期課程2回生、人間・環境学専攻 物質科学講座 吉田寿雄研究室)がOKCAT2023にてOutstanding Research Awardを受賞しました。EL-Naggarさんの発表題目は"Optimized temperature-gradient in photothermal dry reforming of methane"でした。

研究概要:"Optimized temperature-gradient in photothermal dry reforming of methane"
 メタンと二酸化炭素から化成品原料として有用な合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)を製造するメタンのドライリフォーミング反応(CH4 + CO2 → 2H2 + 2CO)は,二酸化炭素の資源化とメタンの有効利用の観点で重要な触媒反応です.一方で,この反応は激しい吸熱反応のため600℃を超える高温条件でないと高いメタン転化率が得られません.典型的には,この熱エネルギーは原料のメタンを燃焼させることにより得られ,その分のメタンの利用効率の低下と二酸化炭素の排出が避けられません.本研究では,この熱エネルギーを太陽光加熱により供給する反応系の開発を行いました.これまでに光加熱型の本反応に対しては比較的安価なニッケルを触媒反応の活性点とした触媒系が主に検討されてきましたが,反応中に併発する固体炭素の析出やニッケル粒子の凝集により活性が大幅に低下してしまい,安定性の面で課題がありました.本研究では,酸化ケイ素で被覆されたニッケルナノ粒子に対して少量のコバルトを合金化することにより,光照射下の高温条件下で高い安定性を実現することに成功しました.また,光スポットの強度,サイズ,位置などの光照射条件を最適化することにより,反応効率を大幅に向上することを示しました.得られた成果は,今後の光加熱を利用した反応系の開発およびそのための材料設計のための指針となると期待されます.
Hamada A. EL-Naggarさん Outstanding Research Award 賞状

 

人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
English