「人環」は軽やかに学術越境します(人間・環境学研究科令和5年4月の改組のお知らせ)

ヴァージョンアップされた人間・環境学研究科「人環」へようこそ

 このたび2023年度より、人間・環境学研究科は、専攻の垣根をなくし、講座を再編するとともに、学術越境の触媒役を担う学術越境センターを設置します。
 1991年創設の本研究科は、30年余にわたり多様な学問分野の専門家を集め、学際的な学問の実現を目指してきました。環境問題、エネルギー問題というような、現代社会が解決を求める課題の多くは、単一の学問の中で解決できるようなものではありません。自然科学にとどまらず、社会科学的な取り組みが必要なだけではなく、さらには人間観・自然観の革新というような、人文知にかかわる取り組みも必要とされています。時代が学問に求める課題解決は次々と現れ、それに取り組む大学も現代社会の要請に応えて常に変わっていかなければなりません。
 30年余の歴史を持つ人間・環境学研究科は、時代の要請にあわせ何度か変革を遂げてきました。そして2023年度より、人間・環境学研究科はまた新たな深化を遂げることになりました。学際的研究の発展形がここにあります。新しくヴァージョンアップされた「人環」へようこそ。一緒に学問の新しい姿を作り出していきましょう。

  1. 改組の理念 ― 「学術越境」とは何か
  2. 改組の概観
  3. 講座の紹介
  4. 学術越境のための新しいカリキュラム
  5. 学術越境センター
  6. さらに詳しく ― 研究科パンフレット

改組の理念 ― 「学術越境」とは何か

 「学術越境」とは確かな専門に軸足を置きつつ、問題解決のために分野の垣根を越えて連携を深めて行くことです。専門をまたいで学術分野間で連携を図ることで、これによりさまざまな問題の解決を目指します。「学術越境」が本研究科の今回の改組の理念です。

改組の概観

2023年4月の改組で、大学院人間・環境学研究科はこれまでの3専攻を人間・環境学専攻1専攻に統合して、10講座による教育研究体制を新たにスタートさせます。

講座の紹介

新たに設置される10講座の概要を紹介します。

  1. 数理・情報科学講座
  2. 人間・社会・思想講座
  3. 芸術文化講座
  4. 認知・行動・健康科学講座
  5. 言語科学講座
  6. 東アジア文明講座
  7. 共生世界講座
  8. 文化・地域環境講座
  9. 物質科学講座
  10. 地球・生命環境講座

 

  1. 数理・情報科学講座
    微分方程式論、力学系、確率解析等の解析学を中心とした数理科学と、計算理論から人工知能、視聴覚情報処理までの幅広い情報科学

    • 実解析・調和解析に基づく数理現象の究明
    • カオス、フラクタル、ランダムネスの解析
    • 人工知能、データサイエンス、メディア情報処理の理論と応用
    • 計算の論理と数理
  2. 人間・社会・思想講座
    人間存在とその思想、社会の原理的究明にもとづいて、言語・思想を介して社会を理解し生きる人間の具体的な行動や発達を解明する

    • 人間存在の哲学的・社会思想史的研究
    • 現代社会の原理的・実証的研究
    • 発達と教育の原理的・実証的・歴史的研究
    • 人間の精神と病理の研究
    • 言語面からの人間、社会の研究
  3. 芸術文化講座
    小説、詩、演劇などの文学作品から映画、舞台芸術、美術、音楽に及ぶ広範な創造行為を対象とする総合的な芸術研究

    • 人間の創造行為が有する意義の多角的探究
    • AI時代における人間性の追求
    • 独創性と想像力に立脚した社会貢献
    • 未来を開拓するための思考力の育成
  4. 認知・行動・健康科学講座
    認知機能、運動制御、身体と精神の健康等に関する研究を融合した総合的な認知・行動・健康科学研究

    • 心理学・神経科学に基づく認知機能の究明
    • 身体運動の現象と理論の研究
    • 医科学に基づく身体および精神機能の究明
    • 社会・文化・健康・発達の実践研究
  5. 言語科学講座
    言語理論、言語記述、言語教育・外国語学習への応用から、言語の諸側面にアプローチし、言語の本質を多角的に捉える

    • 生成文法、認知言語学、言語類型論などの理論言語学研究
    • 個別言語を対象とした記述的研究および通時的研究・言語教育
    • 外国語学習への応用的研究
  6. 東アジア文明講座
    歴史的・文化的・社会的特性の解明を基軸とした東アジア文明の総合的な研究

    • 東アジアの歴史的・文化的・社会的特性の解明
    • 東アジア諸地域間の相互交流の考究
    • 東アジアの言語、文学、歴史、思想、芸術の分析
    • 東アジアの文明と他地域の文明との比較研究
  7. 共生世界講座
    人文・社会諸科学の領域横断的アプローチによる、持続可能な共生世界・共生社会の実現に向けた総合知の創出

    • 西欧近代主義の淵源・成果・問題の再検討
    • グローバルおよびローカルの両次元における共生の模索
    • 新たな世界観の構築
  8. 文化・地域環境講座
    フィールドワークを方法論の基軸として、文化・地域環境の生成、展開、保全を研究し、現代社会における文化・地域環境の構築法を探究する

    • 民族・文化・地域・空間・景観・建築・文化財の諸相の考察
    • フィールドにもとづいた文化・地域環境の生成、展開、保全の分析
    • 現代社会における文化・地域環境の構築法の探究
  9. 物質科学講座
    物質の構造・機能・分析・物性に関する実験的および理論的研究

    • 新機能物質、高機能触媒の創成
    • 新しい分析手法、測定装置の開発
    • 物質の性質を支配する物理法則の解明
    • 物質とエネルギーの変換機構の解明
  10. 地球・生命環境講座
    マクロとミクロ、理論と現象を包含する視座からの地球惑星の変動と進化、生物の種間関係および生命機能の研究

    • 地球内部と表層環境の変動原理の探究
    • 地球・惑星・衛星の形成と進化過程の解明
    • 生物の多様性および生態系の研究
    • 生物機能の解明とその利用

学術越境のための新しいカリキュラム

専門をまたいで学術分野間で連携を図る「学術越境」が今回の改編の柱です。学術越境を目ざすことは専門性を軽視することではありません。専門性を深めなければ越境も実りあるものになりません。確かな専門性に軸足を置きつつ、問題解決のために分野の垣根を越えるのが「学術越境」です。今回の改編にあわせ、こうした学術越境の精神を備えた研究者・社会人を育成するためのカリキュラムを組み立てました。
 
教育カリキュラムの特徴

特徴1 充実した専門教育
特徴2 専門を共有しない他者に専門学術を伝える力としての教養知の涵養
特徴3 副指導教員制による学生主導の研究指導
特徴4 分野横断の研究発表による自身の専門研究の相対化
特徴5 国内外施設での研究・研修
特徴6 学術越境プログラムによる学術架橋力の養成

学術越境センター

本研究科内に新しく設置される学術越境センターは、学術分野間の境界、産官学の境界、国際間の境界をそれぞれ越えた連携を実現するためのサポート組織です。学生諸君を国際交流や越境教育、就職活動等の面で強力にサポートします。

  • 学術分野間の交流
  • 新しいキャリアパスの開拓
  • 国際交流の推進

さらに詳しく ― 研究科パンフレット

新しい「人環」のさらなる詳細につきましては、研究科パンフレット(PDF)をご覧ください。

研究科パンフレット

 

人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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