2017-04-11

大学院人間・環境学研究科に在籍中の学生より,研究内容や学生生活をご紹介します.

  • 小山研の様子(協力:研究室の佟占新さん)

    須田珠生 (共生人間学専攻 人間社会論講座 小山静子研究室 博士3回生)

     小山研究室の須田珠生です。私は、明治期から昭和戦前期までの期間に制定された学校の校歌について研究をしています。
     今日では、日本国内の大多数の学校が当然のように校歌を制定していますが、歴史を遡ってみると、今日に至るまで、学校に校歌制定を義務付けたり、奨励したりする法令は、一切公布されていません。なぜ、学校は、制定しなくても法令上、全く問題のなかった校歌をこぞって制定するようになったのか、さらに、学校の児童や生徒が声を揃えて校歌を歌うという行為がどういう意味を持ったのかを、当時、刊行されていた雑誌や新聞記事、公的文書といった史料を読み解きながら探っています。
     小山研究室は、普段から先生と学生の間も、学生同士の間も風通しがよい研究室です。週一回のゼミでは真剣な議論が交わされる一方で、昼食の時や月一回のランチミーティングの時には楽しくおしゃべりをしたりもしています。研究を進める上でのサポートも手厚いので、充実した研究生活が送れると思います。

  • 中元洸太 (共生人間学専攻 思想文化論講座 戸田剛文研究室 修士2回生)

    研究分野: 西洋哲学(近代)
     戸田研の中元と申します。当研究室は哲学史の面では主にイギリス経験論やプラグマティズムについて、トピックとしては知識や自由などが抱える哲学的な問題について研究しています。
     私の現在の研究は、18世紀のスコットランドに生きた哲学者トマス・リードについてのものです。彼は同時代人であったヒュームの懐疑主義的な議論に対抗すべく、人々の常識に即した原理を哲学の基礎に据えようとしました。この常識原理をめぐるリードの議論はデカルトが考えていた知識観とはまったく異なる知識観を提出しており、彼の思想はパースやムーアといった現代の哲学者にも影響を与えました。彼の常識哲学がどのような背景や影響関係を持ち、どのように受容されたかを調べながら、リードの思想を解きほぐすことが研究の大きな課題となります。
     月並みな言い方ですが、ここでは教員や先輩、知り合いに支えられながら、京大に蓄積されてきた文献やデータベースを自由に用いて差し障りなく研究ができます。研究や生活で惑うことや悩むことは数多ありますが、こうしてゆっくり何かを考えられる環境はとても有難いものです。また、人・環で年に幾度か開かれる懇親会では、普段あまり接しない様々な人とふれあうこともできます。学術的な刺激ももちろん大事なのですが、人と語らい、おいしいものを食べてこその人生なのです。

  • 水野研院生の模擬授業にて

    牧野広樹 (共生人間学専攻 思想文化論講座 奥田敏広研究室 博士1回生)

    研究分野: ドイツ文化史

     私の研究室には、英米文学・文化、ドイツ語圏文学・文化の研究を行う者が多く在籍しています。文系の研究は、基本的に文献を講読し、先行研究やテクストの内容を踏まえたうえで、論文の構想をゼミで発表し、議論を重ねたうえで論文を執筆します。
     研究活動を行ううえで、①文献が充実していること、②ゼミ等の議論の活発さが重要となりますが、文芸表象論分野の研究室では、そのどちらも十分に満たし、研究を行うことができます。京都大学には膨大な蔵書があり、また研究室では英米文学やドイツ文学の多彩な研究に触れることができ、多くの刺激を受けています。私はドイツの文化史研究が専門ですが、文学研究の感性や手法に触れることで多くの示唆を得、研究を進めることができています。また他分野に在籍している独文関係の院生や、他大学の院生とも活発に情報交換を行っています。英米文学の院生は、読書会なども定期的に行っているようです。
     院生室は院生1人につき1つ机が与えられ、24時間自由に使うことができます。ゼミや読書会、研究の後にランチや夕食に行ったり、休憩時間におもわぬ情報を得られたりと、とても充実した研究活動を行うことができる研究室となっています。また中国人留学生も多く、様々な話を聞くことができ、文化の違いに驚くこともしばしばです。
     文芸表象論分野の研究室では、英米文学・文化、ドイツ語圏文学・文化に関する院生たちが、多彩な興味関心を持って、時に分野を越境しつつ活動しています。気になった方はぜひ研究室に見学にいらしてください。

  • 水上優 (共生文明学専攻 文化・地域環境論講座 文化人類学分野 修士2回生)

    研究分野: 文化人類学

     この分野では学生それぞれが主体的に、国内外のフィールドで文化人類学的な調査・研究を行っています。国内外とさらっと書きましたが、本当に多様な国々で調査が行われています。ドイツ、エチオピア、中国、オーストラリア、マーシャル諸島、日本などなど。地域だけではなくトピックも多様で、文化人類学の古典的なテーマである宗教実践や、物質文化に関する研究から、都市における移民研究やセクシュアリティ研究など比較的新しい視座の研究も行われています。
     私自身はエチオピアで鍛冶の技術を持った人々に関して調査を行っています。実際にエチオピアの村へ赴き、鍛冶の仕事を行う家庭に住み込んでフィールドワークを行っています。
     おおよそ週に一度のペースで教員同席のゼミが行われており、フィールドで見て、聞いて、知ったことを共有し合っています。ゼミで報告される各地の事例はどれも興味深く、毎回新たな視点を得られます。また、質疑応答の場面では教員・学生といった立場に関わらず自由な議論が行われ、自分では気がつかなかった論点や、問題へのアプローチを発見することができます。
     院生室と呼ばれる学生が自由に出入りできる部屋では、お昼ご飯を食べながら、各自のフィールドでの四方山話を聞いたり、趣味の話で盛り上がったりと、院生同士の交流も盛んです。
     文化人類学分野では、院生の独立性が高いため、自由に自分の研究を進められると思います。ただ必要な時には、教員・研究員・他の学生との距離も近いため、質問や相談を行うことも容易です。
     人間世界のことを他者によって知りたい、あなたの来訪を待っています。

  • 名倉康太 (相関環境学専攻 分子・生命環境論講座 小松直樹研究室 博士2回生)

     小松研究室所属の名倉康太です。私は「純有機磁性ナノ粒子の作製と性質」について研究しています。
     突然ですが皆さん、金属だけが磁性を示すわけではありません。例えば、ラジカルと呼ばれる化合物は、非金属であるにも関わらず磁性を有しています。この為、ラジカルは長い間MRI造影剤等への応用が期待されてきました。しかし、ラジカルは生体内では直ちにビタミンCによって還元され、MR不活性となります。そこで私は、ラジカルを粒子内に内包させれば還元剤から保護できると考え、ラジカル内包ナノ粒子を作製しました(特許出願)。現在は、粒子内部に抗癌剤も内包させています。将来、この粒子をMRIで追跡できる薬剤キャリヤとして医療応用することを目指しています。
     小松研究室ではその他にも、多数の研究テーマがあります。炭素材料に関する研究を行っており、テーマは学生と教授が議論しながら決めます。学年に関係なく学生間の仲が良く、互いの研究について頻繁に相談し合っています。また、小松研究室には数名の外国人が所属しており、日常的に英語を使用します。英語が苦手な人でも積極的に話しましょう!!少しずつ話せるようになりますよ。
     本研究科には多彩な分野の専門家たちが所属しています。それ故、多様な背景を持つ人々と出会うことが出来き、毎日が刺激で溢れています。これが本研究科最大の強みです。是非、「研究者のるつぼ」である人間・環境学研究科に入学して下さい!!

  • 近藤望 (相関環境学専攻 自然環境動態論講座 小木曽哲研究室 博士3回生)

     小木曽研究室の近藤望です。私は、地球の内部の構造や成分が、地球誕生時からどのように進化してきたのかについて研究しています。
     46億年前に地球が誕生したとき、地球はもっと高温でどろどろに融けていました。それが冷え固まり、大気や海ができ、生命が絶滅の危機を幾度も乗り越えながら進化して、現在の地球の様相に至った、と考えられています。この劇的な歴史のなかで、地球内部の構造や成分がどのように変化し、地球全体の進化にどんな影響を与えてきたのかを知ることが、研究の最大の目的です。そのために、地球の内部や過去を記録する岩石を採取して分析したり、実験室で地球内部の温度・圧力を再現した実験を行ったりしています。一見なんの変哲も無いように見える石や実験室での実験から地球進化の歴史に迫っていくなかには、何物にも代えがたい面白さがあります。
     また、地球の営みを理解するための戸口は、地学だけでなく他の理系の学問や、文系の学問のなかにもあることでしょう。人間・環境学研究科は理系から文系、その境界まで、さまざまな学問分野の研究室が集まっており、自分とは全く異なる専門の話を聴く機会や、多彩な人々と交流できる催しも多くあります。たくさんの視点と発見から自分の世界観・地球観を編み上げ、充実した研究生活を送ることができると思います。

  • 高橋裕貴 (相関環境学専攻 物質相関論講座 吉田寿雄研究室 修士2回生)

    研究分野: 触媒化学・光触媒化学

     私の所属する吉田寿雄研究室では、環境問題の解決に寄与する固体触媒の研究をしています。私は自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物という、環境や人体に悪影響のある物質を無害な窒素に変えるための触媒の研究を行っています。このようなテーマのもと、一人で考え込むのではなく、同期や先輩方、先生方とディスカッションを重ねながら日々研究をしています。固体触媒は、多数あるファクターを少し変えるだけで大きく結果が変わる面白さがあり、モチベーションになっています。当研究室では、毎年留学生が複数在籍していることもあり、都度ある発表の資料は英語で書くことが多いですし、論文紹介も英語で行われます。彼らとの日常会話も英語で行うことが多いため、必然的に英語を使う機会がある点は非常にいいと思っています。また、アルバイトやサークル活動も節度を守ればできるので、自由度が高い研究室だと思います。ここに掲載している写真も現在所属しているデジタル写真サークルでの活動で撮影したものです。研究の面でも、ある時先生に「自分が面白いと思うことをやればいい。実験室にある装置と試薬は好きに使ってくれたらいいから。」と言われたことが非常に印象に残っています。就職先についても多様な実績があり、様々な点で京都大学らしい研究科・研究室と言えるのではないでしょうか。 

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