鬼頭篤史さんが日本風俗史学会研究奨励賞を受賞しました

共生人間学専攻人間社会論講座・博士後期課程3回生の鬼頭篤史さんが、2016年12月3日に、『風俗史学』第60号(2015年)に掲載された論文、「大正末期~昭和初期の店員像――雑誌『商店界』を中心に――」によって、日本風俗史学会研究奨励賞を受賞しました。

研究の概要:「大正末期~昭和初期の店員像―雑誌『商店界』を中心に―」
本論文は、大正末期から昭和初期の中小商店主および店員向けに発行されていた雑誌『商店界』誌上の店員の待遇・訓練・教育に関する記事の分析により、店員の模範像とその論理を明らかにし、同時期のサラリーマンの模範像とその論理との比較を行って、サラリーマンというカテゴリーに店員が含まれたのか否かを考察することを目的としている。
店員の模範像に関しては、大正末期には人格と信用を兼ね備えていることが求められたのが、昭和期に入ると商売上の手腕や技術、知識などの能力と、それらの能力を身に着けようとする姿勢によって評価されるものに変化した。その一方で、店員の立身出世モデルは、この時期を通じて変化せず、商店に一定の期間勤めて退職した後、独立して自ら店主となるというものであり続けた。
これらのことから、店員の模範的な生き方とその論理は、組織内での昇進を求めるサラリーマンの模範的な生き方とその論理には同化せず、大正末期から昭和初期にかけてのサラリーマンと店員は、望ましいとされるアイデンティティが異なっており、店員はサラリーマンというカテゴリーには含まれなかったことを明らかにした。

鬼頭篤史さん賞状
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