人間と共同体の諸関係の多面的考察

人間はその誕生から死に至るまで、歴史的、社会的、文化的存在として周囲の人たちと共に生きる。この観点に立って、人間形成の過程にはどのような共生の可能性とその困難があるか、個人の社会的行動に対して集団や社会や文化はどのような影響を及ぼしているか、人間の芸術活動は歴史や社会や文化によってどのように規定されているかといった点から教育研究を行う。

研究分野

人間形成論 小山 静子 教授, 大倉 得史 准教授, 倉石 一郎 准教授, 松本 卓也 准教授
人間共生論 ※連携機関: 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所
社会行動論 ベッカー,カール・B 教授, 杉万 俊夫 教授, 吉田 純 教授, 柴田 悠 准教授, 永田 素彦 准教授
文化社会論 多賀 茂 教授, 田邊 玲子 教授, 松田 英男 教授, 木下 千花 准教授
人間形成論分野
人間形成過程にみられる社会化の問題および人間同士の共生の問題を研究する。
  • 小山 静子 教授

    人間形成の過程において、人間が生育環境からどのような影響を受けて成長していくのか、主に教育の問題に焦点を当てて、歴史的に研究しています。具体的には、学校・共同体・家族の変化、あるいはジェンダーを視野に入れつつ、近代日本において、子どもを取り巻く状況や子どもの社会化のあり方がどのように変化していったのかを、明らかにしたいと考えています。

  • 大倉 得史 准教授

    人々が生きている生活の現場では、ごくありふれたことから想像もつかないようなことまで、実にさまざまなことが起こっています。現場に入り込んで(巻き込まれて)、生活の中の諸問題から体験に即した知を生み出していくことを大事にしています。現場に関わりながら徹底的にものを考えていける人、かつ自らの身体感覚を大切にできる人をお待ちしています。

  • 倉石 一郎 准教授

    教育を主たる手がかりにしながら、現代社会の構造やその歴史的なりたちをとらえることを目標にしています。さまざまな現場に足をはこび、人びとの語りに耳をかたむけ、かつそうした経験的データを正しく読み解き分析するために必要な理論的研鑽をいとわない人の参加を待っています。また、教育や学校の働きは、かならずしもポジティブなものばかりとは限りません。その存在が、新たな社会問題を作り出し、人びとを生き難くしている面もあります。そうした批判的視点もきちんと備え、非主流やマイノリティの立場に思いをはせることができる人を特に歓迎します。

  • 松本 卓也 准教授


人間共生論分野
※連携機関: 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所

社会行動論分野
グループ・ダイナミックス、文化心理学、宗教社会心理学、社会学的行動論の観点から人間の社会的行動に関する研究を行う。
  • ベッカー,カール・B 教授

    京大の大学院に参りました理由の一つは、日本が人生を全うするような死に方には学ぶところが多いと思ったからです。ところが、数十年前から、「死」という言葉すら口にできないような状況でした。潔く死ぬことを尊んだはずの日本人が、なぜ「死」の話を避けたがるのか、そこに矛盾を感じました。高齢社会になって、死が話題となり、終末期医療やホスピスなど、市民の関心が高まってきました。ターミナルケアを行うためにも、人生を後悔せずに生きるためにも、死の理想や倫理からその経済的側面まで考える人材を支援したく思っています。

  • 杉万 俊夫 教授

     さまざまなフィールド(研究現場)---家族、学校、コミュニティ、企業、病院、NPO等の集団・組織、あるいは、災害、国際救援の現場など ---で、当事者とともに協同的実践を展開しながら、共同でメッセージを発信していく、というタイプの研究をしています。

  • 吉田 純 教授

    私自身は広義の「情報」と「社会」との関係という視角から現代社会を捉えることをテーマとしてきましたが、それに限らず、「社会」をその根底から問うラディカルな問題意識をもった学生諸君を歓迎します。社会学はきわめて守備範囲の広い学問であり、幅広い視野と知識を必要としますが、その上に、自らの根本的な「問い」を徹底的に追求していく粘り強い知的体力が求められます。大学院入学のためには、原則として、学部レベルで社会学ないしその隣接領域を専攻していることが前提となります。

  • 柴田 悠 准教授

    どうしたら幸せに生きられるのか? 身近な人の幸せをサポートするにはどうしたらいいのか? 「より多くの人々が幸せに生きられる社会」をつくるにはどうしたらいいのか?――こういった関心のもとで、私は「幸せ」「生き方」「親密性(友人関係・恋愛・結婚・家族)」「社会保障」「近代化」 などについて、社会学的に研究しています。

  • 永田 素彦 准教授

    さまざまなコミュニティや組織で現場研究(フィールド研究)を行っています。現在、具体的には、(1)東日本大震災の被災地である岩手県野田村をフィールドに、チーム北リアスというボランティア・ネットワークを立ち上げ、復興支援のアクションリサーチを行っています。(2)滋賀県長浜市をフィールドに、伝統的な街並みと庭を活かしたコミュニティ活性化の研究を行っています。(3)社会構成主義をベースにした理論・方法論研究にも関心をもっています。


文化社会論分野
文学作品・芸術作品・映画作品などが、その作品を生んだ時代と社会によっていかに規定されているかを講究する。
  • 多賀 茂 教授

    私たちの生活を決定している、様々な知的・社会的制度(例えば、政治、都市、病院、教育など)を、フランス現代思想とりわけミシェル・フーコーの思想を参照しながら、分析・検討する一方、最近は精神医療の現代的問題や精神医学史等にも取り組んでいます。またフランス18世紀の文学や思想についても、上記の諸問題との関わりを含め、以前から研究を行っています。

  • 田邊 玲子 教授

    現在はおもに18世紀のドイツ文学を中心に、「人間」観を探っています。当時は「啓蒙」を旗印に、人間そして人間関係(友情、恋愛、家族、社会、国家など)のありかたが改めて議論された時代です。文学もそうした流れのなかで、意見交換のプラットフォームの役割を果たしていました。今から見ても、非常に「先進的」で自由な発想に触れることがあり、驚かされます。この時代はまた、人間の感情の価値が改めて評価され、人間性をはかる尺度とされました。こうしたことを、「制度」として考え、現代に生きる私たちのあり方も考察してゆきたいと考えています。[参考:拙訳レッシング作『エミーリア・ガロッティ/ミス・サラ・サンプソン』(岩波文庫)]

  • 松田 英男 教授

    アメリカおよびイギリス映画研究を行っています。現在の主な関心は、ハリウッド・ミュージカル、女性映画、フィルム・ノワールなど、スタジオ期のジャンル映画です。日本映画も含めて、戦中映画、音楽映画も研究テーマとしています。

  • 木下 千花 准教授


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