生命科学にもとづく人間の認識と行動原理の考察

視覚の脳地図 実験の様子

認知・行動科学では、脳・神経科学、認知科学・心理学、運動医科学・生理学、健康科学、代謝・栄養学を基盤にして、精神的・身体的な諸機能の基本的なメカニズムの解明とそれらの諸機能の発達過程と形成方法の研究を行います。さらに健康づくりとスポーツ運動に関する基礎的、実践的研究を行います。これらの成果をもとに、人類が生命・健康・発達を十分に実現していくために重要となる医療制度・健康教育システム・健康生活設計・社会システム等のよりよいあり方について総合的に研究し、実践活動を構想し展開していきます。

研究分野

認知科学 小村 豊 教授, 齋木 潤 教授, 月浦 崇 教授, 内田 由紀子 准教授, 山本 洋紀 助教
生理心理学 ※連携機関: 独立行政法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所
行動制御学 石原 昭彦 教授, 神﨑 素樹 教授, 久代 恵介 准教授, 田中 真介 准教授
身体機能論 林 達也 教授, 船曳 康子 准教授, 江川 達郎 助教
認知科学分野
認識、思考、意識、学習、記憶・感情、自己などを、神経科学的、認知心理学的、ならびに、社会心理学的方法によって探求します。
  • 小村 豊 教授

    とらえがたい「こころ」の実体を、システムバイオロジーの観点から描出します。具体的には、神経科学的手法・行動心理学的手法・計算科学的手法を駆使して、意識・意思、予測・動機、メタ認知・社会性など、心の最先端を照らし、ニューロン・神経回路から、行動・主観報告に至るまで、異なる階層データを結び付けて、脳の仕組みを解き明かしていきます。得られた、脳・心・アルゴリズムの本質的知見を元に、新たな人間理解と知のモデルを創生します。

  • 齋木 潤 教授

    認知科学の一部門である視覚科学が専門。特に、物体やシーンの認識などの高次の視覚認知を特にその能動的側面に注目して研究している。「みる」プロセスと「みえる」プロセスを意識や注意の機能と関連付けながら心理実験、fMRIなどを用いた機能的脳イメージング、計算論的モデリングの手法を併用して科学的に解明することを目指す。

  • 月浦 崇 教授

    私たちは誰もが「こころ」を感じることができますが、「こころ」は目に見ることも触ることもできません。私の研究室では、「脳」を通して形のない「こころ」を科学的に観る「認知神経科学」を専門としています。特に、ヒトの記憶と社会的認知や加齢などの関係について、脳機能イメージング(fMRIなど)による基礎的研究と、脳損傷患者に対する行動学的検証(臨床的研究)とを学際的に融合し、解明することをめざしています。認知神経科学は、文理両方の知識や経験が必要な学際的分野であり、日常で感じる疑問に多くの研究の萌芽があります。文理にとらわれず、柔軟な発想をもった方がチャレンジしてくれることを期待しています。興味のある方は、ぜひ研究室を訪問してみてください。

  • 内田 由紀子 准教授

  • 山本 洋紀 助教

    ヒトの見る仕組みを心理学的方法と脳イメージング法を使って調べています。特に、形、奥行き、色の知覚の脳過程に興味を持っています。例えば、色に気づく時と気づかない時の脳活動を比べて、色の意識に大事な脳領域はどこかを調べたりしています。


生理心理学
※連携機関: 独立行政法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所
学外非常勤講師
宮内 哲(情報通信研究機構)

行動制御学分野
行動制御や身体機能を、発生から死までの生物学的時間軸と、地域から宇宙までの空間軸に展開しながら考究します。
  • 石原 昭彦 教授

    神経・筋の可塑性を探る:神経や筋が発育・発達、老化、運動や環境の変化に対してどのように適応していくのかを検討しています。特に宇宙ステーションでの無重力環境、月面や火星表面での低重力環境に滞在した時の神経・筋の変化を検討しています。病気の予防を目指す:軽度な高気圧酸素への滞在による体への影響を、アンチエイジング、メタボリックシンドローム、生活習慣病、不妊症の予防・改善から研究しています。健康・体力を維持・増進する:運動によって有酸素的な代謝を向上させれば、健康や体力を維持・増進できます。どのような運動が効果的なのかを異なる走速度や運動時間から検討しています。興味がありましたら一緒に研究を進めましょう。

  • 神﨑 素樹 教授

    ヒトは多様な動作を行うことができます。この多様な動作は、関節運動を生成する多くの筋による適切な活動、そして莫大な筋を支配する中枢神経系によりコントロールされています。一見単純な動作にみえる動作でさえ、中枢神経系は無数の筋活動の組み合わせから最適な1つの解を決定していることになります。こで、中枢神経系は膨大な情報量を簡略化して最適な動作を生成しています。また、我々の身体には粘弾性特性があり、これが中枢神経からの情報を簡略化すると考えられます。私の研究室では、ヒトの多様な動作を生成するためのシステムを簡略化する、という一見矛盾する我々の運動制御について研究しています。

  • 久代 恵介 准教授

    運動がうまくなるための研究をおこなっています。日常生活やスポーツ場面において運動を的確に判断・選択し、正確かつ迅速に行うためには何が重要なのかを探っています。良い運動パフォーマンスを引き出すカギとなりそうな要素を行動実験によって検証し、導き出された結果を実際の運動場面に役立てたいと考えています。

  • 田中 真介 准教授


身体機能論分野
身体の基礎生理学、病理学を基盤として、肥満や生活習慣病、精神疾患、発達障害のメカニズムを探求します。
  • 林 達也 教授

    運動すると、骨格筋に存在するAMPキナーゼというリン酸化酵素が活性化されます。そしてこのことが、運動が抗肥満作用や抗糖尿病作用を発揮するために重要と考えられています。
    私の研究室では、薬剤、食品成分、温熱、酸化ストレスなどによって、AMPキナーゼが、あたかも運動したときのように活性化されることを明らかにしてきました。しかしこれら以外にも可能性は多くあります。
    「運動に似た作用を誘導する物質や刺激」を私と一緒に見つけてくれる学生を広く募集しています。

  • 船曳 康子 准教授

    人の精神状態は、現在の環境のみならず、幼少期からの発達、環境、性格、特性、認知機構とも関連があると考えられます。それらの関係性を解明しようと多角的に研究を行っていますが、今後は、不変部と可変部に分け、前者を認識した上で、後者への対応、更には今後のトラブルを予防するようなシステム開発も目指しています。具体的には、メンタルヘルス国際比較、発達障害の社会支援、行動・認知・脳科学に基づいた自閉症のメカニズム解明などに取り組んでいます。

  • 江川 達郎 助教


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