各文明の地域的特性の比較、交流関係の考究

非西欧文明は、西欧文明との衝突と受容を通して、みずからの地域文明の特性を維持するという、苦悩に満ちた歴史を経験してきました。グローバル化が進行するいま、各文明の地域的特性を多角的に比較するとともに、文明相互の交流とその文化的所産、さらには文明の自己相対化の諸相を、歴史的パースペクティヴと構造的分析の複眼的視点から解明するための教育研究を行います。

研究分野

多文化複合論 岡 真理 教授, 小倉 紀蔵 教授, 勝又 直也 准教授
地域文明論 赤松 紀彦 教授, 太田 出 教授
文明交流論 塩塚 秀一郎 教授
多文化複合論分野
文明内部あるいは文明間における多様な文化の邂逅とその複合による新たな文化的状況の醸成を考究します。
  • 岡 真理 教授

    現代アラブ文学とパレスチナ問題が2大中心テーマです。文学作品や映画などの表象を通して、現代世界の思想的諸問題について、とくにポストコロニアルの観点から分析・考察しています。ナクバ(パレスチナの民族浄化の悲劇)をホロコーストに接続し、パレスチナ問題を現代世界に生きる人間にとっての普遍的な思想的課題として、同問題と歴史の地脈で結ばれたさまざまな問題、たとえば東アジアの近現代の歴史や、「難民」「祖国」「人権」といった諸問題について考えています。また、人間にとって、文学をはじめとする「アート」というものが持つ意味についても関心があり、劇団活動を通して、「文学」を実践的に追求しています。

  • 小倉 紀蔵 教授

    今とりくんでいるのは、東アジアの伝統的な「心」のとらえ方から発想した新しい哲学の構築です。それを私は「多重主体主義」と呼んでいます。特に「たましい」という概念は何なのか、というところを出発点として考えています。東アジアは経済的発展はしましたが、それで何なんでしょう。中国が世界のGDP第二位、日本が第三位といいますが、西洋で生まれた資本主義という考えをうまく運営した結果にすぎません。つまり西洋の世界観が世界を支配するのに手を貸しているだけ、ということもできます。それを打破し、東アジア発の世界観で東アジアを構築したいのです。

  • 勝又 直也 准教授

    狭い意味での研究テーマは、中世へブライ文学です。特に、100年あまり前にエジプトのカイロで発見されたゲニザ写本に保存されている宗教詩のテキストを扱っています。もう少し広い意味での研究テーマは、これらのテキストに見られる、中世の地中海・中東地域におけるユダヤ教・キリスト教・イスラームという三つの一神教の交流史です。最も広い意味では、様々な時代・地域のユダヤに関することを綜合的に扱う「ユダヤ学」が私の研究テーマです。


地域文明論分野
歴史的視点に立って、各文明の文化社会的営為とそれらの関係性のなかに地域的特性を考究します。
  • 赤松 紀彦 教授

     中国の伝統芸能史、中でも演劇史を研究の中心としています。広い視野のもとに、伝統演劇や語り物をはじめとする諸作品群のテキストの解読を通じて、個々の作品が内包する世界を明らかにするとともに、それらが備えていた社会的機能の探求を目指したいと考えています。さらに、近年は、演劇と極めて深い関係にある伝統音楽史にも興味を持ち、研究を進めています。

  • 太田 出 教授


文明交流論分野
非西欧文明と西欧文明が相互に同化あるいは異化する文明交流の歴史的文化的諸相を考究します。
  • 塩塚 秀一郎 教授

    クノー、ペレックなど、フランスの実験的文学集団ウリポに関係する作家の研究を行っています。今後は、ウリポのもう一人の大物ジャック・ルーボーや、広い意味でウリポやペレックの系譜に連なる作家へも研究の幅を広げていくつもりです。さらには、創作手法や価値観においてペレックと共通点をもつ現代アート作家についても考察を広げたいと思っています。また、言語遊戯など極限的なフランス語テクストを日本語に翻訳することにも関心をもっています。


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