人間存在とその思想、社会の原理的究明にもとづいて、言語・思想を介して社会を理解し生きる人間の具体的な行動や発達を解明する

国際シンポジウム 授業風景
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東日本大震災:被災者の語りを聴く 動物倫理
東日本大震災:被災者の語りを聴く 動物倫理
  • 人間存在の哲学的・社会思想史的研究
  • 現代社会の原理的・実証的研究
  • 発達と教育の原理的・実証的・歴史的研究
  • 人間の精神と病理の研究
  • 言語面からの人間、社会の研究

 人間は世界や他者、そして自己自身と関わりつつ社会を構成して生きる存在ですが、人間の言語、思想、社会は人間の産物として人間に事後的に付加されるだけのものではありません。それらはむしろ人間自身とその社会との関わりを根本から規定し、性格付けるものです。当講座はこの言語・思想的でもあり社会的な存在でもある人間、および人間と社会との相互交渉について、根源まで遡って原理的な究明をおこないます。また、原理的究明を踏まえて個別の社会のあり方や社会内の人間の具体的行動や発達の詳細、さらには病理的なあり方まで視野に収めて実証的研究を展開するとともに、その研究の実践への応用を試みます。

教員紹介

青山 拓央 教授, 安部 浩 教授, 大倉 得史 教授, 倉石 一郎 教授, 佐藤 義之 教授, 柴田 悠 教授, 戸田 剛文 教授, 永田 素彦 教授, 西山 教行 教授, 細見 和之 教授, 吉田 純 教授, タジャン ニコラ ピエール 准教授, 石岡 学 准教授, 小林 哲也 准教授, 松本 卓也 准教授
  • 青山 拓央 教授

  • 安部 浩 教授

    西洋現代哲学を研究しています。主な対象は体系的な観点から言うなら、存在論や実存哲学などであり、史的観点より見れば、前世紀ドイツの哲学者、M.ハイデガーの思想を中心とした、現象学および解釈学の流れを汲む諸思想です。同時に、環境倫理学の古典である『責任という原理』で知られるH.ヨナスを初め、環境思想も研究しています。

  • 大倉 得史 教授

    人々が生きている生活の現場では、ごくありふれたことから想像もつかないようなことまで、実にさまざまなことが起こっています。現場に入り込んで(巻き込まれて)、生活の中の諸問題から体験に即した知を生み出していくことを大事にしています。現場に関わりながら徹底的にものを考えていける人、かつ自らの身体感覚を大切にできる人をお待ちしています。

  • 倉石 一郎 教授

    教育や人間形成という現象を窓口にして現代社会の構造やその歴史的なりたちをとらえることを目標にしています。さまざまな現場に足をはこび、人びとの語りに耳をかたむけ、かつそうした経験的データを正しく読み解き分析するために必要な理論的研鑽をいとわない人の参加を待っています。また、教育や学校の働きは、かならずしもポジティブなものばかりとは限りません。その存在が、新たな社会問題を作り出し、人びとを生き難くしている面もあります。そうした批判的視点もきちんと備え、非主流やマイノリティの立場に思いをはせることができる人を特に歓迎します。

  • 佐藤 義之 教授

     私はメルロ=ポンティ、レヴィナスなどのフランス現象学を中心として研究を続けてきました。現在は、英米系の哲学や、心理学等の経験科学の知見も批判的に取り入れながら、意識、知覚、倫理の現象学的研究をもっぱら行なっています。

  • 柴田 悠 教授

    どうしたら幸せに生きられるのか? 身近な人の幸せをサポートするにはどうしたらいいのか? 「より多くの人々が幸せに生きられる社会」をつくるにはどうしたらいいのか?――こういった関心のもとで、私は「幸せ」「生き方」「親密性(友人関係・恋愛・結婚・家族)」「社会保障」「近代化」 などについて、社会学的に研究しています。

  • 戸田 剛文 教授

    いろいろな哲学の問題が、どのような構造をもっていて、社会やほかの文化とどのように関連し、時代とともにどのように変化してきたのかを通時的にとらえることで、世界のありようを考えたいと思っています。

  • 永田 素彦 教授

    さまざまなコミュニティや組織で現場研究(フィールド研究)を行っています。現在、具体的には、(1)東日本大震災の被災地である岩手県野田村をフィールドに、チーム北リアスというボランティア・ネットワークを立ち上げ、復興支援のアクションリサーチを行っています。(2)三重県尾鷲市や兵庫県伊丹市などをフィールドに、共育を軸にしたコミュニティづくりの研究を行っています。(3)社会構成主義をベースにした理論・方法論研究にも関心をもっています。

  • 西山 教行 教授

    本研究室では、歴史、社会、文化など人間を取り巻くさまざまな環境のなかで外国語教育の様態を検討し、外国語教育は何をめざすのか、社会でどのような役割を担うのか、どのような制度のもとで実践されるのかなどを考察します。このため、社会のなかで言語にどのような地位と役割を与えるのかを批判的に検討する言語政策の方法論を参照し、学校という社会における言語のあり方に迫ります。なかでも、植民地における言語普及・教育は、政治権力への奉仕を使命としてきたことから、言語教育政策の政治性を鮮明に映し出すものです。このような視座から、外国語教育に内在する政治性を解明し、現代世界における言語教育政策を展望したいと考えます。

  • 細見 和之 教授

  • 吉田 純 教授

    私自身は広義の「情報」と「社会」との関係という視角から現代社会を捉えることをテーマとしてきましたが、それに限らず、「社会」をその根底から問うラディカルな問題意識をもった学生諸君を歓迎します。社会学はきわめて守備範囲の広い学問であり、幅広い視野と知識を必要としますが、その上に、自らの根本的な「問い」を徹底的に追求していく粘り強い知的体力が求められます。大学院入学のためには、原則として、学部レベルで社会学ないしその隣接領域を専攻していることが前提となります。

  • タジャン ニコラ ピエール 准教授

  • 石岡 学 准教授

  • 小林 哲也 准教授

  • 松本 卓也 准教授

    ドイツ・フランスの精神病理学、およびジークムント・フロイトやジャック・ラカンをはじめとする精神分析理論を基盤として、言語的存在かつセクシュアリティと関わる存在としての人間に生じうる様々な症状や創造性や社会病理の解明を目指しています。


人間・環境学研究科パンフレット
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