小説、詩、演劇などの文学作品から映画、舞台芸術、美術、音楽に及ぶ広範な創造行為を対象とする総合的な芸術研究

The Winter's Tale(英語上演) フランツ・ヒュンテン『ピアノ教本』作品60第3版(1833年頃)の口絵
The Winter’s Tale(英語上演) フランツ・ヒュンテン『ピアノ教本』作品60第3版(1833年頃)の口絵
ジェイムズ・ジョイス像(チューリヒ フルンテルン墓地) 映写機 牧野教育活動写真製作所製(1921 年頃)
ジェイムズ・ジョイス像
(チューリヒ フルンテルン墓地)
映写機 牧野教育活動写真製作所製
(1921 年頃)
  • 人間の創造行為が有する意義の多角的探究
  • AI時代における人間性の追求
  • 独創性と想像力に立脚した社会貢献
  • 未来を開拓するための思考力の育成

 本講座は、芸術文化を本質的な人の営みとしてとらえ、その研究を通じてあらたな世界と思考を探求することをめざしています。
 イギリス・アメリカを起点として世界に広がる英語圏文学、およびドイツ語圏とフランス語圏をはじめとして多言語文化を基盤とするヨーロッパの文学、さらにはヘブライ文学を視野に入れ、芸術の本質と未来の可能性を探求します。小説、詩、演劇などの文学作品から映画、舞台芸術、音楽、美術まで、様々なジャンルの創造行為を対象とする総合的な研究を行います。文化的・社会的・思想的背景に留意しつつ、個々の作品をダイナミックで立体的なものとして浮かび上がらせるため、文芸批評、演劇理論、映画理論、芸術哲学を学び、相乗的な視野の拡張をめざしています。ローカル・グローバルの両側面に光を当てることによって個々の作品の特殊性と普遍性を解明し、異なる文化の共生を模索、展望します。

教員紹介

池田 寛子 教授, 勝又 直也 教授, 桂山 康司 教授, 木下 千花 教授, 桒山 智成 教授, 小島 基洋 教授, 菅 利恵 教授, 廣野 由美子 教授, 上田 泰史 准教授, 合田 典世 准教授, 須藤 秀平 准教授, 田口 かおり 准教授, 武田 宙也 准教授, 中筋 朋 准教授, 仁井田 千絵 准教授
  • 池田 寛子 教授

    イギリス地域・詩歌・フォークロアをキーワードにすると、さまざまな興味深い文化現象に繋がっていきます。英語やケルト語の民謡は現代のポップスにも通じるものがあります。古今の歌の伝統は民衆の心から現代の世相までを映し出します。民間伝承物語は原題の児童文学作品やファンタジー小説などに通じていきます。視野を広げながら、どこかで何かに出会い、立ち止まり、深く掘り下げる、こういった知の探求を楽しみ、掘り上げたものを多くの人に価値あるものとして伝わるような文章にまとめていく、そういった論文作成のお手伝いをしたいと思います。イギリス地域の文学や民間伝承を読み解くにあたって、日本への影響、日本からの影響、といった比較文化・文学的な視点も大切にしたいと思います。

  • 勝又 直也 教授

    狭い意味での研究テーマは、中世へブライ文学です。特に、100年あまり前にエジプトのカイロで発見されたゲニザ写本に保存されている宗教詩のテキストを扱っています。もう少し広い意味での研究テーマは、これらのテキストに見られる、中世の地中海・中東地域におけるユダヤ教・キリスト教・イスラームという三つの一神教の交流史です。最も広い意味では、様々な時代・地域のユダヤに関することを綜合的に扱う「ユダヤ学」が私の研究テーマです。

  • 桂山 康司 教授

     イギリスの詩を研究しています。言葉の多様な働きを詩人たちが如何に利用し、独自の表現法を開拓していったかを、作品内の言葉の微細なネットワークのうちに追及すると同時に、より大きな文化的枠組みとの関連においても解明しようとしています。

  • 木下 千花 教授

  • 桒山 智成 教授

    イギリス演劇研究。特にシェイクスピアの劇作術研究、シェイクスピア作品の翻案研究(映画、バレエ、ミュージカル)。

  • 小島 基洋 教授

    アイルランド作家James Joyceの作品を読み解いています。文学が最も革新的だった時代の最も革新的な作家です。 Dubliners(1914), A Portrait of the Artist as a Young Man(1916), Ulysses(1922), そしてFinnegans Wake(1939)の言葉を丹念に追いながら、言語芸術の極限を跡付けていきたいと思っています。

  • 菅 利恵 教授

  • 廣野 由美子 教授

    小説の表象構造や小説言語のメカニズムの解明に取り組むにあたり、物語の内容がいかに語られているかという「語り」の問題を中心に、プロット構成・時間構造・人物造形・イマジェリー・テーマ論等、多面的な角度から物語分析を試みている。主たる研究領域は、メアリー・シェリー、ジェイン・オースティン、ブロンテ姉妹、ジョージ・エリオットなどの19世紀イギリス小説。

  • 上田 泰史 准教授

  • 合田 典世 准教授

  • 須藤 秀平 准教授

  • 田口 かおり 准教授

    美術作品を「のこし」「なおす」技法と理念──「保存修復学」は、現場での実践と美術史家たちによる理論展開の二つの場に分断されて断絶状態におかれた期間が長く、この事態が総合的な学術研究の完遂を阻む大きな壁となってきました。実践と理論の実質的な相関性はどこに見出しうるのか。そこに各国・各時代において活躍した美術史家や修復家たちの思想をいかに読み取ることができるのか。こうした問いを出発点に、授業では、医学や人類学、美学、表象文化論などとの交差にも目配りしつつ、作品の「生」や「時間」についてさまざまな角度から検討します。

  • 武田 宙也 准教授

    美学・芸術学。とりわけ、現代アートおよびフランス・イタリアを中心とした現代思想。

  • 中筋 朋 准教授

  • 仁井田 千絵 准教授


人間・環境学研究科パンフレット
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