認知機能、運動制御、身体と精神の健康等に関する研究を融合した総合的な認知・行動・健康科学研究

視覚の脳地図 行動観察と発達支援
行動観察と発達支援
神経細胞の電気活動
神経細胞の電気活動
視覚の脳地図
月面歩行を模擬した動作中の筋活動と動作
月面歩行を模擬した動作中の筋活動と動作
  • 心理学・神経科学に基づく認知機能の究明
  • 身体運動の現象と理論の研究
  • 医科学に基づく身体および精神機能の究明
  • 社会・文化・健康・発達の実践研究

 認知・行動・健康科学講座では、神経科学、認知科学、心理学、生理学、運動科学、健康科学、運動医科学、精神医学などのさまざまな学問を基盤として、精神と身体が担う諸機能のメカニズム、発達過程、形成方法に関する基礎的研究と、健康づくりとスポーツ活動に関する実践的研究を行います。さらに、加速する情報化社会、生命・文化の多様化、人と機械の共生のあり方など、社会の変化にともなう人類の諸課題についての総合的な研究と実践活動を展開していきます。これらの成果をもとに、人類が生命活動・健康・発達をより良く実現していくための方策と手段を探求します。

教員紹介

内田 由紀子 教授, 久代 恵介 教授, 神﨑 素樹 教授, 小村 豊 教授, 齋木 潤 教授, 月浦 崇 教授, 林 達也 教授, 船曳 康子 教授, 田中 真介 准教授, 萩生 翔大 准教授, 江川 達郎 助教, 山本 洋紀 助教, 朴 白順 特定助教
  • 内田 由紀子 教授

    私たちの周りにある価値観や思考様式などの「文化」とこころの関係に関心があります。実験や調査などの実験者会心理学的手法を用いて、幸福感・他者理解・対人関係についての比較文化研究を進めています。最近では特に文化の変化が心にもたらす影響や、地域コミュニティーにおける社会関係資本のあり方などについても検討しています。 詳細はこころの未来研究センターのウェブサイト http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/staff/yukiko-uchida/ をご覧ください。

  • 久代 恵介 教授

    運動がうまくなるための研究をおこなっています。日常生活やスポーツ場面において運動を的確に判断・選択し、正確かつ迅速に行うためには何が重要なのかを探っています。良い運動パフォーマンスを引き出すカギとなりそうな要素を行動実験によって検証し、導き出された結果を実際の運動場面に役立てたいと考えています。

  • 神﨑 素樹 教授

    ヒトは多様な動作を行うことができます。この多様な動作は、関節運動を生成する多くの筋による適切な活動、そして莫大な筋を支配する中枢神経系によりコントロールされています。一見単純な動作にみえる動作でさえ、中枢神経系は無数の筋活動の組み合わせから最適な1つの解を決定していることになります。こで、中枢神経系は膨大な情報量を簡略化して最適な動作を生成しています。また、我々の身体には粘弾性特性があり、これが中枢神経からの情報を簡略化すると考えられます。私の研究室では、ヒトの多様な動作を生成するためのシステムを簡略化する、という一見矛盾する我々の運動制御について研究しています。 最近は、宇宙飛行士を対象として、NASAで地球帰還後の不安定な制御からの回復について実験研究も行っています。

  • 小村 豊 教授

    とらえがたい「こころ」の実体を、システムバイオロジーの観点から描出します。具体的には、神経科学的手法・行動心理学的手法・計算科学的手法を駆使して、意識・意思、予測・動機、メタ認知・社会性など、心の最先端を照らし、ニューロン・神経回路から、行動・主観報告に至るまで、異なる階層データを結び付けて、脳の仕組みを解き明かしていきます。得られた、脳・心・アルゴリズムの本質的知見を元に、新たな人間理解と知のモデルを創生します。

  • 齋木 潤 教授

    認知科学の一部門である視覚科学が専門。特に、物体やシーンの認識などの高次の視覚認知を特にその能動的側面に注目して研究している。「みる」プロセスと「みえる」プロセスを意識や注意の機能と関連付けながら心理実験、fMRIなどを用いた機能的脳イメージング、計算論的モデリングの手法を併用して科学的に解明することを目指す。

  • 月浦 崇 教授

    私たちは誰もが「こころ」を感じることができますが、「こころ」は目に見ることも触ることもできません。私の研究室では、「脳」を通して形のない「こころ」を科学的に観る「認知神経科学」を専門としています。特に、ヒトの記憶と社会的認知や加齢などの関係について、脳機能イメージング(fMRIなど)による基礎的研究と、脳損傷患者に対する行動学的検証(臨床的研究)とを学際的に融合し、解明することをめざしています。認知神経科学は、文理両方の知識や経験が必要な学際的分野であり、日常で感じる疑問に多くの研究の萌芽があります。文理にとらわれず、柔軟な発想をもった方がチャレンジしてくれることを期待しています。興味のある方は、ぜひ研究室を訪問してみてください。

  • 林 達也 教授

    運動すると、骨格筋に存在するAMPキナーゼというリン酸化酵素が活性化されます。そしてこのことが、運動が抗肥満作用や抗糖尿病作用を発揮するために重要と考えられています。
    私の研究室では、薬剤、食品成分、温熱、酸化ストレスなどによって、AMPキナーゼが、あたかも運動したときのように活性化されることを明らかにしてきました。しかしこれら以外にも可能性は多くあります。
    「運動に似た作用を誘導する物質や刺激」を私と一緒に見つけてくれる学生を広く募集しています。

  • 船曳 康子 教授

    人の精神状態は、現在の環境のみならず、幼少期からの発達、環境、性格、特性、認知機構とも関連があると考えられます。それらの関係性を解明しようと多角的に研究を行っていますが、今後は、不変部と可変部に分け、前者を認識した上で、後者への対応、更には今後のトラブルを予防するようなシステム開発も目指しています。具体的には、メンタルヘルス国際比較、発達障害の社会支援、行動・認知・脳科学に基づいた自閉症のメカニズム解明などに取り組んでいます。

  • 田中 真介 准教授

  • 萩生 翔大 准教授

  • 江川 達郎 助教

    「運動はなぜ健康にいいのだろう?」「運動しなかったり年を取ったりするとなぜ筋肉が衰えるのだろう?」「運動の代わりになる方法はないのだろうか?」という身近な疑問をもとに研究を進めています。生命科学現象の謎解きに興味のある方はぜひ一緒に研究しましょう!

  • 山本 洋紀 助教

    ヒトの見る仕組みを心理学的方法と脳イメージング法を使って調べています。特に、形、奥行き、色の知覚の脳過程に興味を持っています。例えば、色に気づく時と気づかない時の脳活動を比べて、色の意識に大事な脳領域はどこかを調べたりしています。

  • 朴 白順 特定助教


人間・環境学研究科パンフレット
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