研究科: 専攻等/講座 人間・環境学/認知・行動・健康科学
学部: 講座 (学系) 認知・行動・健康科学 (認知情報学系)
所属機関/部局
電子メール egawa.tatsuro.4u(at)kyoto-u.ac.jp
個人ページ Website
※ 学部の学系は令和5年度までの制度による組織での所属を表しています

Message to the prospective students

「運動はなぜ健康にいいのだろう?」「運動しなかったり年を取ったりするとなぜ筋肉が衰えるのだろう?」「運動の代わりになる方法はないのだろうか?」という身近な疑問をもとに研究を進めています。
生命科学現象の謎解きに興味のある方はぜひ一緒に研究しましょう!
健康や運動、スポーツ、筋肉に関心があり、研究にチャレンジしたい意欲を持った大学院生を歓迎します。
文系、理系、出身学部を問わず幅広い分野からの進学をお待ちしています。
研究分野 分子運動適応学、運動生物学、骨格筋生物学、分子スポーツ科学、アダプテッド・スポーツ学
キーワード 骨格筋、筋肥大、筋萎縮、運動、老化、栄養、糖化
研究テーマ 研究メインテーマ「骨格筋機能向上による健康増進の追究」
 骨格筋は、体内で最大の器官であり、単なる運動のための組織「運動器」にとどまらず、「代謝器」「内分泌器」として多面的な機能を担う、健康維持に不可欠な存在です。骨格筋の機能が低下すると、代謝異常や慢性疾患の進行、さらには要介護状態に至る大きなリスクとなることが知られており、その機能をいかに保ち、向上させるかは、現代の健康科学が直面する重要な課題です。
 当研究室ではこの課題に対し、運動という生理的ストレスによって引き起こされる骨格筋の「適応反応」に着目しています。運動によって骨格筋がどのように変化し、それがどのような分子・細胞レベルの制御機構によって実現されているのかを解明することで、健康の維持・増進に資する革新的アプローチの確立を目指しています。このような視点から展開する研究を、私たちは「分子運動適応学」と位置づけています。
 具体的にはまず、運動負荷量の変化に応じて骨格筋が示す可塑的な変化、すなわち筋肥大や萎縮、代謝適応などの現象に関わる分子機構を明らかにすることに取り組んでおり、これにより効果的な運動プログラムの科学的根拠を提供することを目指しています。また、加齢や生活習慣に伴って蓄積する糖化ストレスのような内的ストレスが、骨格筋の形成・維持に与える影響を明らかにし、それらを予防または軽減するための介入戦略の確立にも力を注いでいます。さらに、運動が困難な高齢者や疾患患者の支援を視野に入れ、食品由来の機能性成分や温熱・電気・軽度高圧酸素などの物理的刺激を活用した“運動の代替手段”の開発にも積極的に取り組んでいます。
 私たちの研究は、サルコペニアや筋萎縮の予防・改善、健康寿命の延伸、アスリートのパフォーマンス向上、高齢者や疾患患者のQOL向上など、幅広い応用可能性を有しています。しかし、その根幹にあるのは常に、「運動による骨格筋の適応現象を、分子・細胞レベルで精緻に理解する」ことへの科学的探究心です。このような基礎研究に立脚しつつ、分子レベルで得られた知見を活かした新たな介入手法を提案することで、将来的には加齢性疾患の予防や健康増進といった社会的課題の解決に貢献することを目指しています。
代表的著書,論文等
所属学会,その他の研究活動等 日本体力医学会(評議員)、日本宇宙航空環境医学会(評議員)、日本生理学会(評議員)、日本生化学会、日本栄養・食糧学会、日本細胞生物学会、日本アダプテッド体育・スポーツ学会、大学体育連合、日本スポーツ栄養学会
担当授業
  • 学部 認知・行動・健康科学入門
    分子スポーツ科学
    アダプテッド・スポーツ演習
    分子運動適応学ゼミ
  • 大学院修士課程 運動医科学
    身体機能論演習
    認知・行動科学総合演習
    学術越境基礎4
    人間・環境学研究I・II
  • 大学院博士課程 人間・環境学特別演習1・2
    人間・環境学特別研究I・II
    人間・環境学特別セミナー
  • 全学共通科目 スポーツ実習(アダプテッドスポーツ)
    分子スポーツ科学
    アダプテッド・スポーツ演習
経歴等 2002年 近畿大学附属高等学校卒業
2007年 京都大学総合人間学部総合人間学科卒業
2009年 京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了
2010年 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2012年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
2012年 日本学術振興会特別研究員(PD)
2017年 京都大学大学院人間・環境学研究科 助教
2024年 京都大学大学院人間・環境学研究科 准教授
人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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