研究科: 専攻等/講座 人間・環境学/物質科学
学部: 講座 (学系) 物質科学 (自然科学系)
所属機関/部局
電子メール fujiwara.naoki.7e_AT_kyoto-u.ac.jp  (Please replace _AT_ with AT mark.)
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※ 学部の学系は令和5年度までの制度による組織での所属を表しています

Message to the prospective students

◆研究室を目指す皆さんに

【1】概要
当方研究室は、固体物性物理学(Solid State Physics)の研究室です。
研究室に所属する修士課程院生及び博士課程院生は、日本物理学会で研究成果を発表することになります。大学院生の所属は人間・環境学研究科ですが、研究目的や対象は、学内外の理学系あるいは工学基礎科学系と全く同じです。

院生の学会発表リストは、このURL参照。 http://www.fujiwara.h.kyoto-u.ac.jp/41contents.html 

【2】研究対象および特長
現在の研究内容は、高温超伝導体(high-transition temperature superconductors)を中心に強相関系電子系物質(strongly correlated electron systems)を核磁気共鳴(NMR)法を用いて研究しています。
研究室の特長は、以下の高圧下NMR計測です。
(1)汎用圧力セルによる4万気圧までの圧力下核磁気共鳴 (NMR) 計測。
(2)2020年に、約7万気圧下の核四重極 (NQR) 測定に成功!

【3】研究成果
過去研究室に所属した院生の研究業績は、主として
(1)アメリカ物理学会誌 (Physical Review B, Physical Review Letters)、
(2)日本物理学会誌 (Journal of Physical Society of Japan)、
(3)アメリカ物理学協会刊行 科学技術雑誌 (Review of Scientific Instruments)
に掲載されています。

院生の学術論文リストはこのURL参照。  http://www.fujiwara.h.kyoto-u.ac.jp/Jpaper.html

2004年開設来の論文 【 博士課程卒業1名 修士課程卒業11名 計12名が過去に在籍 (2023年7月現在) 】
(1)Phys Rev Lett + Phys Rev B            16編 (卒業生第一著者 8編)
(2)Communications Physics + Scientific reports    2編 (卒業生及び在籍生 第一著者 2編)
(3)J Phys Soc Jpn                   5編 (卒業生及び在籍生 第一著者 4編) 
(4)Rev Sci Instruments                 2編 (卒業生第一著者 1編)

比較的最近の院生の第一著書論文
(D1院生&21年修士卒業生)    Communications Physics 6 (2023) 175
(21年学振DC2院生)       Scientific Reports 11 (2021) 17265
(20年修士卒業生)        Review of Scientific Instruments 91 (2020) 073907
(18年修士卒業生)        Phys. Rev. B 99 (2019) 174517
(19年修士卒業生)        J. Phys. Soc. Jpn. 88 (2019) 033703
(16年修士卒業生)        Phys. Rev. B 94 (2016) 161104 (R)
(14年修士卒業生)        Phys. Rev. B 91 (2015) 064509

【4】研究室の雰囲気
日本高圧力学会に2018年卒業生が寄稿した研究室紹介が、学会ホームページからフリーで閲覧できます。
日本高圧力学会 学会誌 最新号 (J-STAGE) 28巻 2018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshpreview/28/1/28_38/_article/-char/ja

【5】卒業後の進路
修士課程院生は、半導体設計製造、情報通信、システムソリューション等に関係する企業への就職が多いです。面接で「人間・環境学研究科で物理学専攻?」と聞かれることはあるようですが、就職に関係なさそうです。

院生の卒業後の進路はホームページに掲載しています 。
院生進路はこのURL参照。  http://www.fujiwara.h.kyoto-u.ac.jp/Jmember.html

【6】研究室の訪問について
過去研究室に所属した院生の出身大学は、総合人間学部よりも他大学ないし他部局の方が多い状況です。大学院生として、学内外から広く受け入れています。
当方研究室の大学院生(修士課程、博士課程)募集に興味のある方は、メールにてお知らせいただけば、都合を調整の上、研究室を案内いたします。

 
研究分野 強相関電子系 (酸化物等の超伝導体, 金属, 絶縁体)の核磁気共鳴による研究、高圧下での物性研究
キーワード 超伝導体、高圧物性、核磁気共鳴、強相関電子系、遍歴局在転移系、低次元磁性体等
研究テーマ 2004年4月に東大物性研より赴任してきました。物性研究所では、新物質科学部門所属時に強相関電子系酸化物の核磁気共鳴(NMR)を、極限環境物性部門 (旧毛利研究室、現上床研究室)所属時に、高圧下NMRを行っていました。

[A] 高圧下NMR装置開発は一つの主な研究テーマです。

(a) 高圧下NMR測定では、現在4万気圧以上での核磁気共鳴 (NMR) 測定が可能です。*1
(b) 2020年小型キュービックアンビル圧力セルを用いて、約7万気圧下の核四重極 (NQR) 測定に成功しました。*2, *3

*1 汎用ピストンシリンダー型圧力セルとしては最高水準
*2 Review of Scientific Instruments 91 (2020) 073907
*3 (日本語解説) 日本物理学会誌 76巻 5月号 295頁

[B] 研究対象物質については、2008年に発見された新高温超伝導体の高圧下NMR測定に重点を置いています (下記研究テーマ参照)。

鉄砒素系高温超伝導体LaFeAsOHの圧力下NMRについての成果が, 京大低温物質科学研究センター誌(第32巻 2018年6月刊行)に掲載されています。
https://www.ltm.kyoto-u.ac.jp/centershi/LTM-32.pdf

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物性研での主な研究テーマ
(ほぼ年代順 共同研究者の身分は研究開始当時の身分を表記)

(1) 鉄族(3d)電子系 heavy fermion system LiV2O4
共同研究者:上田寛教授 (東大物性研究所)
(2)梯子格子銅酸化物 SrCu2O3 の不純物効果
共同研究者:高野幹夫教授、東正樹准教授 (京大化学研究所)
(3) S=1/2 Heisenberg chain LiV2O5
共同研究者:上田寛教授、磯部正彦博士 (東大物性研)
(4) 梯子格子銅酸化物 圧力誘起超伝導体 Sr2Ca12Cu24O41
共同研究者:内田慎一教授(東大理)、本山直樹博士(現青山学院大)、松本武彦博士(物材研機構)

京都大学に着任してから始めたテーマ

2004年以降
(5)圧力誘起超伝導体 β-AgV6O15
共同研究者:上田寛教授、山内徹氏 (東大物性研)
(6)4万気圧での物性測定:梯子格子銅酸化物 Sr2Ca12Cu24O41 
共同研究者:内田慎一教授(東大理)、藤巻洋介氏、松本武彦博士(物材研機構)、上床美也准教授(物性研)

2008年以降
(7)鉄砒素系高温超伝導体 LaFeAsOF
共同研究者:高橋博樹教授(日大), 神原陽一郎講師(慶大), 平野正浩教授, 細野秀雄教授(東工大)
(8)鉄砒素系高温超伝導体 CaFeAsOF
共同研究者:松石聡助教, 細野秀雄教授(東工大)
(9)鉄砒素系高温超伝導体 Fe2As2Ca6(Al, Ti)4Oy
共同研究者:荻野拓助教, 岸尾光二教授, 下山淳一准教授(東大工)

2014年以降
(10)鉄砒素系高温超伝導体 LaFeAsOH
共同研究者:飯村荘史助教, 松石聡准教授, 細野秀雄教授(東工大)

2018年現在進行中テーマ
(11)鉄セレン系高温超伝導体 FeSeS
共同研究者:芝内孝禎教授(東大新領域), 松田裕司教授(京大理), 上床美也教授(東大物性研)
代表的著書,論文等 (1) Phys. Rev. Lett. 111 (2013) 097002, "Detection of AF ordering in heavily doped LaFeAsOH superconductors using NMR techniques"
(2) Phys. Rev. Lett. 90 (2003) 137001, "Superconductivity of the Sr2Ca12Cu24O41 spin ladder system"
(3) Phys. Rev. Lett. 80 (1998) 604, "NMR study of Zn doping effect in a spin ladder system SrCu2O3"
(4) (7万気圧下核四重極共鳴成功)Review of Scientific Instruments 91 (2020) 073907, "Fabrication and evaluation via nuclear quadrupole resonance of a palm cubic-anvil pressure cell"
(5) "高圧技術ハンドブック", 丸善(毛利信男他編) 第4章3節 磁気測定-NMRのうち酸化物担当
所属学会,その他の研究活動等 [1]所属学会
日本物理学会
日本高圧力学会
アメリカ物理学会

東京大学物性研究所 嘱託研究員 (2004-現在) 
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[2] 国際会議 (口頭発表、招待講演のみ記載)
低温物理学国際会議 LT23 (2002年 広島) 口頭発表
アメリカ物理学会 March Meeting (2003年 モントリオール) シンポジウム招待講演
高圧核磁気国際会議 HPNP '04 (2004年 ケルン) 招待講演
強相関電子系国際会議 SCES '04 (2004年 カールスルーエ) 口頭発表
アシア高圧国際会議 ACHPR3 '06 (2006年  麗江) 口頭発表
磁性国際会議 ICM 2009 (2009年 カールスルーエ) 口頭発表
Superstripes 2010 (2010年 パレルモ) 口頭発表
IWNSSM& N2S 2011 (2011年 東京) 口頭発表
Superstripes 2012 (2010年 パレルモ) 招待講演
高圧科学技術国際会議 AIRAPT 2013 (2013年 シアトル) 口頭発表
Superstripes 2013 (2013年 ナポリ) 口頭発表
アメリカ物理学会 March Meeting (2013年 ボルティモア) 口頭発表
アメリカ物理学会 March Meeting (2014年 デンバー) 口頭発表
磁性国際会議 ICM 2015 (2015年 バルセロナ) 口頭発表
高圧科学技術国際会議 AIRAPT 2015 (2015年 マドリード) 口頭発表
Superstripes 2016 (2016年 ナポリ) 招待講演
EMN 2016  (2016年  プラハ) 招待講演
HPSP-17 & WHS1  (2016年  東京) 口頭発表
HPSP-18 & WHS2  (2018年  バルセロナ) 口頭発表
アメリカ物理学会 March Meeting (2019年 ボストン) 口頭発表
ECSN 2019 (2019 オデッサ)招待講演
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[3] 外部資金調達
文部省科学研究費   基盤研究(A) (98-01)分担
文部省科学研究費   奨励研究(A) (99-00)代表
小笠原科学技術財団  研究助成    (99-99)代表
島津科学技術振興財団 研究助成    (99-99)代表
文部省科学研究費   基盤研究(C) (02-03)代表
文部省科学研究費   基盤研究(A) (04-07)分担
日本原子力研究所   黎明研究    (02-02)代表
文部省科学研究費   基盤研究(B) (05-09)代表
文部省科学研究費   特定領域研究  (05-07)公募代表
文部省科学研究費   基盤研究(B) (11-13)代表
文部省科学研究費   基盤研究(B) (15-17)分担
三菱財団       自然科学助成  (17-18)代表
文部省科学研究費   基盤研究(B) (18-20)代表 
文部省科学研究費   基盤研究(A) (19-22)分担   
担当授業
  • 学部 量子力学II (中級 主として3回生対象)
    自然科学入門(リレー講義)
    課題演習:(物理科学)高圧・核磁気共鳴
  • 大学院修士課程
  • 大学院博士課程
  • 全学共通科目 物理学基礎論A
    物理学基礎論B
    物理学実験 
経歴等 '88 京都大学 理学部 卒業
'93 京都大学大学院 理学研究科 第一専攻 博士課程 終了
'93 文部省特別研究員PD
'95 東京大学物性研究所 助手
'04 京都大学大学院人間環境研究科 助教授 着任 
人間・環境学研究科パンフレット 総合人間学部パンフレット
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