専攻/講座 人間・環境学/芸術文化
総人学系 文化環境学
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研究分野 演劇理論、フランス演劇
キーワード 世紀末、俳優、身体術、無意識の獲得、脱演劇化/再演劇化
研究テーマ  世紀転換期のフランスにおける演劇理論の分析を軸として、思想や科学の変容が、人間が自身について形成してきたイメージにいかに影響しているかを描き出す仕事に取り組んでいる。人間の行動や内面を扱い、それが人間の身体によって示される演劇は、こうした問題を考えるうえ多くの示唆を与えてくれる。また、19世紀後半は、神経生理学、実験心理学、実験音声学が飛躍的に発展し、人間の捉え方が大きく変化した時期だが、同時期に演劇も大きな転換点を迎えていることも興味深い。この時代は、近代的な演出家の登場によって、舞台に対する総合的かつ抽象的な視線が誕生し、俳優の演技を客観化するようになった時代なのである。このときに、魂という概念が精神・身体・無意識へと分割して引き継がれることによって「終わり」を迎えたという議論もあるが、本研究室では、実験心理学が生まれてくる過程と演技論に身体の次元が導入される過程、さらにこの時代に戯曲も含めた文学が大きく変容していく過程について、その関わりを考究する。
 あらたな現実に対する想像力を刺激することは芸術の役割のひとつだが、最近はこうした視点から、19世紀フランスにおける「脳の小説」や「脳のドラマ」にみられるSF的要素の萌芽についても研究している。
代表的著書,論文等 【著書】
『フランス演劇にみるボディワークの萌芽——「演技」から「表現」へ』(世界思想社、2015年)
「ミシェル・ド・ゲルドロードにおける存在のモデルとしてのマリオネット」、岩本和子・石部尚登編、『ベルギーとはなにか』、松籟社、2013年。
「日本の演劇理論——近代演劇概念の成立をめぐって」、大浦康介編、『日本の文学理論』、水声社、2017年。

【論文】
「ラシルドの「脳の劇」における幻覚をめぐって──幻想小説と科学小説のあいだで」『ステラ』、九州大学フランス語フランス文学研究会、第37号、pp. 175-192、2018年。
「サン=ポル=ルーと19世紀末フランス演劇——ダニエル・ハーコランド作『個人からなる登場人物たち』を巡って」、『フランス語フランス文学研究』、日本フランス語フランス文学会、第109号、pp. 107-121、2016年。
« Jean Jullien et Art et Critique : naturalisme et symbolisme dans la théorie théâtrale du fin-de-siècle », Études de Langue et Littérature Françaises, nº 103, pp. 43-60, 2013.
「19世紀末演劇論における役者の表現への両義的態度——身体の演劇性」、『フランス語フランス文学研究』、日本フランス語フランス文学会、第99号、pp. 195-210、2011年など。
所属学会,その他の研究活動等
担当授業
  • 学部 比較パラダイム文明論A(近年の講義タイトルは、「3つの世紀末」「魔術化と脱魔術化としての科学史」「フランス象徴主義理論の現代性」)

    比較パラダイム文明論演習A・B(フランス語文献講読。最近の講読文献は、ジャック・ランシエールの『美学的無意識』『アイステーシス』など)
  • 大学院修士課程 パラダイム文明論
    文明交流論演習2A・2B
  • 大学院博士課程 共生文明学研究
  • 全学共通科目 フランス語I・II
経歴等 2002年3月 京都大学文学部人文学科(フランス語学フランス文学専修)卒業
2003年6月 (フランス)リヨン第2大学学士課程 Licence(演劇学専修)卒業
2005年3月 京都大学大学院文学研究科修士課程(フランス語学フランス文学専修)修了 
2006年9月 (フランス)パリ第3大学修士課程(Master 2)修了
2012年3月 京都大学大学院文学研究科博士後期課程(フランス語学フランス文学専修)研究指導認定退学
2014年3月 京都大学大学院文学研究科博士(文学)
2014年10月 愛媛大学法文学部講師(表現文化論)
2017年10月 同准教授(表現文化論)
2019年4月 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(比較文明論)

博士(文学/京都大学)
Master 2 (演劇学/パリ第3大学)、修士(文学/京都大学)
Licence (演劇学/リヨン第2大学)、学士(文学/京都大学)

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