専攻/講座/分野 共生人間学/人間社会論/人間形成論
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Message to the prospective students

◆翻訳書『黒人ハイスクールの歴史社会学:アフリカ系アメリカ人の闘い1940-1980』を刊行しました!
カンザス大学の教育史学者ジョン・ルーリー先生と社会学者シェリー・ヒル先生の共著によるThe African American Struggle for Secondary Schooling: Closing the Graduation Gap (Teachers College Press, 2012)の日本語訳をこのたび、『黒人ハイスクールの歴史社会学』として昭和堂より出版しました。現代文明論講座の大学院生を含むメンバーとの共訳です。今回、2016年のアメリカ大統領選の結果を左右したのも人種のファクターだったと言われています。本書は、アメリカ社会に深い影を落とす黒人問題を、中等教育=ハイスクールの経験の拡張という角度から取り上げた大変興味深い作品です。

◆研究室を目指す皆さんに
この研究室は、教育を社会・歴史的文脈のなかで捉える、あるいは社会とのつながりにおいて捉えるという点をゆるやかに共有しながら、多様なテーマを研究する人たちが集まっています。ただ、目先の問題を追うばかりでなく、教育についての原理的、理論的洞察を深めることも重要です。理論、フィールド研究といった方法を問わず、新たな教育学を創造しようとする意欲ある方の応募をお待ちしています。なお修士課程、博士後期編入のいずれの場合も受験を検討される場合、早めにコンタクトをとって下さい。(博士後期編入については、年によって募集しない場合もあるのでご注意ください。)修士課程への入学を希望する方には、教育社会学(Sociology of Education)について一通り勉強し、知識を頭に入れ理解しておくことが最低限望まれます。

◆「教育社会学の基礎を効率よく学ぶのに適した文献は何ですか」とよく尋ねられます。そこで以下に一例としてリストを掲げますが、これはあくまで「一例」であり、これさえ読めば基礎が身につくことを保障するものではありません。また他にも多数の優れた文献があることを、お断りしておきます。
・『リーディングス日本の教育と社会 全20巻』(広田照幸監修、日本図書センター、2006-2010年)
・『グローバル化・社会変動と教育 全2巻』(ローダー他編、広田照幸他訳、東京大学出版会、2012年)
・『教育社会学:現代教育のシステム分析』(バランスタイン・ハマック著、東洋館出版社、2011年)
・『教育社会学:第三のソリューション』(ハルゼー他編、住田正樹他訳、九州大学出版会、2005年)
・『社会のなかの教育』(岩波講座教育 変革への展望 第2巻)(岩波書店、2016年)
・『よくわかる教育社会学』(酒井朗・多賀太・中村高康編、ミネルヴァ書房、2012年)
研究分野 教育学・教育社会学
キーワード 教育社会学、包摂と排除、教育福祉、マイノリティ教育、ライフストーリー
研究テーマ ●教育社会学は大きく言えば教育と社会とのつながり、社会のなかの教育のあり方を探求する学問である。日々メディアをにぎわせ、早急な対策を必要としているいわゆる「教育問題」の数々には一市民として大いに関心をもっている。しかし自分が研究者として関心をもったり惹きつけられている事象はいささかそれらとは異なる。近代学校制度はむろん私の研究にとって重要な関心ではあるが、私がひきつけられるのはその「原初状態」とも呼ぶべきものだ。就学義務が課せられている年齢の子どもが貧困やら家の事情でちゃんと学校に来ない、とか(日本の長欠不就学問題)、そもそも教室が一つしかなく教師も一人だけで授業日数もそろっていない学校(米国のワンルームスクール)とか、そういった類のものが私の考える原初状態である。こうしたことに思いを馳せたり、事実関係をほそぼそ調べることは物好きのきわみかもしれない。だが原初状態を見とどけることは、巨大化し官僚化したいまの学校制度の姿が絶対的なものではなく、はかない虚構の上になりたつに過ぎないことを教えてくれる。こうした事柄にふれて、出口の見えない閉塞感に苦しむ者の気が少しだけでも軽くなってくれればうれしい。
●ここ10年ほど、日本とアメリカ合衆国における、スクールソーシャルワーク的取り組みの立ち上がり過程を歴史的文脈のなかで比較・考察することにとりくんできた。『包摂と排除の教育学:戦後日本社会とマイノリティへの視座』(生活書院、2009年)で日本(高知県)の福祉教員にスポットを当て、『アメリカ教育福祉社会史序説:ビジティング・ティーチャーとその時代』(春風社、2014年)で米国のビジティング・ティーチャーについて取り上げた。また修士課程時代以来、被差別部落や在日朝鮮人といったマイノリティの問題に関心をもち研究を続けているほか、最近ではアメリカ黒人を対象とする教育福祉の成立と展開にも関心を持っている。さらに生の語りに耳を傾けることを通して歴史や社会を描こうとする、ライフストーリー研究、オーラルヒストリーの方法に関心を持っている。
代表的著書,論文等 【著書】
『アメリカ教育福祉社会史序説:ビジティング・ティーチャーとその時代』春風社、2014年(単著)
『包摂と排除の教育学:戦後日本社会とマイノリティへの視座』生活書院、2009年(単著)
『差別と日常の経験社会学:解読する<私>の研究誌』生活書院、2007年(単著)
『社会のなかの教育 (岩波講座教育 変革への展望 第2巻)』岩波書店、2016年(共著)
『教育支援と排除の比較社会史:「生存」をめぐる家族・労働・福祉』昭和堂、2016年(共著)
『ライフストーリー研究に何ができるか:対話的構築主義の批判的継承』新曜社、2015年(共著)
『教育における包摂と排除:もうひとつの若者論』明石書店、2012年(共著)
【翻訳】
『黒人ハイスクールの歴史社会学:アフリカ系アメリカ人の闘い1940-1980』昭和堂、2016年(共訳)
『アクティヴ・インタビュー:相互行為としての社会調査』せりか書房、2004年(共訳)
『多文化教育事典』明石書店、2002年(監訳・共訳)
所属学会,その他の研究活動等 日本教育社会学会(2015年より理事)
日本教育学会
日本社会学会
異文化間教育学会
日本オーラル・ヒストリー学会
教育の境界研究会
担当授業
  • 学部 人間形成論
    人間形成論演習
    基礎演習:教育・社会・国家
  • 大学院修士課程 人間形成論
    人間形成論演習
    共生人間学研究Ⅰ,Ⅱ
  • 大学院博士課程 共生人間学特別研究Ⅰ,Ⅱ
  • 全学共通科目 教育学Ⅰ
    教育学Ⅱ
    ILASセミナー:教育・社会・国家
    教育学基礎ゼミナール
経歴等 1992年3月 京都大学工学部衛生工学科卒業
1995年3月 京都大学大学院人間・環境学研究科(岡田敬司先生ゼミ)修士課程修了
1998年3月 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程(岡田敬司先生ゼミ)研究指導認定退学
2000年7月 京都大学博士(人間・環境学)取得
2002年4月 東京外国語大学外国語学部助教授
2007年4月 同准教授
2009年4月 東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
2013年10月 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授

倉石 一郎 (くらいし いちろう)准教授へメールで連絡する




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