研究科: 専攻等/講座 人間・環境学/物質科学
学部: 講座 (学系) 物質科学 (自然科学系)
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※ 学部の学系は令和5年度までの制度による組織での所属を表しています

Message to the prospective students

◆研究室を目指す皆さんに
平成25年4月に発足しました.資源・環境・エネルギーにかかわる触媒・光触媒の研究を行っています.かなりおもしろいです.興味のある方は,まずはメールでご連絡ください.
研究分野 触媒化学,光触媒化学,XAFS
キーワード 太陽エネルギー変換,人工光合成,光触媒による新規化学反応の開発,金属触媒
研究テーマ 太陽エネルギーの有効利用や二酸化炭素の排出量の削減,環境との調和はこれからの人類にとって最重要課題です.本研究室では,太陽エネルギー変換・二酸化炭素有効利用(人工光合成)・メタン転化・グリーンケミストリーを可能とする光触媒と,代表的な実用触媒であり環境触媒としても有用な金属触媒について,基礎からの理解に重点を置きながら研究・開発しています.
以下に,各テーマの詳細を示します.

(1)二酸化炭素の還元反応 <人工光合成>
 人類の永続的な繁栄のためには,循環型社会を目指す必要があります.つまり,物質の循環サイクルを確立することが重要で,人類による二酸化炭素の排出ばかりが突出していることは問題であり,二酸化炭素の有用化学物質への変換のための人工的な技術の創製が必要です.ただし,二酸化炭素の変換のために化石資源由来の物質やエネルギーを用いたのでは意味がなく,再生可能資源と太陽エネルギー用いた二酸化炭素の還元反応(人工光合成)を実現させることが望まれます.
 当研究室では,水を還元剤として用いた光触媒的な二酸化炭素還元反応のための光触媒の研究・開発を行っています.

(2)光触媒によるメタン転化 <太陽エネルギーによる化学変換>
 人類の永続的な繁栄のためには,化石燃料を消費し続けるのではなく,自然エネルギーである太陽エネルギーを有効に利用することが不可欠です.光触媒を用いれば,水や再生可能資源から高い化学ポテンシャルを持つ水素を生成させることができます.これは,太陽エネルギーを化学エネルギーに変換していることになり,重要な技術です.
 当研究室では,メタンと水を反応させて水素を取り出したり,メタンと二酸化炭素を反応させて工業的にも有用な一酸化炭素を合成したりすることができる光触媒の研究を行っています.特に,水とメタンから水素を得る光触媒反応は当研究室のオリジナルな反応で,どのような光触媒を作ればより高効率となるかを考えながら,開発に取り組んでいます.
 
(3)環境に優しい新規な化学反応の開発 <グリーンケミストリー>
 現状の化学合成ルートには,余分な化学物質やエネルギーを消費したり,大量の副産物を与えたり,環境負荷の大きな廃棄物を排出したり,といったあまり環境に優しくないものも存在します.環境にやさしい化学(グリーンケミストリー)を目指した新規な化学反応の開発を推進してゆく必要があります.
 当研究室では,光触媒の特徴を活かした,新しいタイプの,シンプルでクリーンな化学反応の開発に取り組んでいます.これまでに,世界で初めての光触媒反応をいくつも見出してきました.そして,それらの反応がどのようにして可能となっているかのメカニズムを詳細に解明しながら研究・開発を進めています.

(4)貴金属触媒の高性能化と,希少元素代替触媒の開発
 環境浄化・保全のための触媒を環境触媒といいます.貴金属触媒は,最も重要な環境触媒で,自動車や工場等からの排気ガスの浄化にも役立っていますが,日本では貴金属資源が乏しく,その代替となる触媒の開発が求められています.そこで本研究室では,貴金属触媒の高性能化により使用量の低減化をめざすとともに,貴金属触媒の原理を解明することによって代替となる触媒をどのように設計してゆけばいいのか(触媒設計指針)を明らかにするために,研究・開発を進めています.
代表的著書,論文等 “Highly selective photocatalytic reduction of carbon dioxide with water over silver-loaded calcium titanate”, A. Anzai, N. Fukuo, A. Yamamoto, H. Yoshida, Catal. Commun., 100 (2017) 134–138.
“Bifunctional property of Pt nanoparticle deposited on titanium oxide for the photocatalytic sp3C–sp3C cross-coupling reactions between tetrahydrofuran and alkanes”, A. Tyagi, A. Yamamoto, T. Kato, H. Yoshida, Catal. Sci. Technol., 7 (2017) 2616–2623.
“Direct cyanomethylation of aliphatic and aromatic hydrocarbons with acetonitrile over metal loaded titanium oxide photocatalyst”, E. Wada, T. Takeuchi, Y. Fujimura, A. Tyagi, T. Kato, H. Yoshida, Catal. Sci. Technol., 7 (2017) 2457–2466.
“Effects of support and additive on oxidation state and activity of Pt catalyst in propane combustion”, H. Yoshida, et al., Catal. Today, 87 (2003) 19.
“固体表面キャラクタリゼーションの実際”,講談社 (2004)
所属学会,その他の研究活動等 日本化学会,触媒学会,光化学協会,石油学会,ゼオライト学会,日本放射光学会,日本XAFS研究会,など
担当授業
  • 学部 物質変換論
    課題演習:物質の機能と構造
  • 大学院修士課程 物質機能相関論演習1,2
    触媒設計論1,2
    物質相関論総論
    相関環境学研究I, II
  • 大学院博士課程
  • 全学共通科目 基礎物理化学(熱力学)
    基礎物理化学(量子論)
    基礎化学実験
経歴等 1991年3月 京都大学 工学部 石油化学科 卒業
1993年3月 京都大学 大学院工学研究科 分子工学専攻 修士課程修了
1993年4月 同 博士課程進学,日本学術振興会特別研究員(DC1)
1995年4月 名古屋大学 工学部応用化学科 助手 
1997年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 助手
1998年3月   京都大学博士(工学)取得
2003年11月 名古屋大学 難処理人工物研究センター 助教授
2004年4月 名古屋大学 エコトピア科学研究機構 助教授
2005年4月 名古屋大学 エコトピア科学研究所 助教授
2007年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 准教授
2013年4月 京都大学 大学院人間・環境学研究科 相関環境学専攻 教授
京都大学 学際融合教育研究推進センター 触媒・電池元素戦略ユニット(ESICB)教授

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