専攻/講座 人間・環境学/文化・地域環境
総人学系 文化環境学
所属機関/部局
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Message to the prospective students

◆文化人類学分野をめざす皆様へ

文化人類学は、人間集団のやっていることならなんでも研究できる分野です。「この人たちいったいなにをやっているんだ?」「この人たちはいったいなんなんだ?」という、他者に対して持つ素朴な疑問を深めた先に「私たちはいったいなんなんだ?」という問題があります。人類学をするとは、他者が生きている世界を理解しようとすることです。それはある意味、自分の世界の見え方を変えることでもあります。

私は人々のやりとりに興味を持っていますが、皆さんには皆さんの興味があるはずです。差し迫った現代社会の大問題から取るに足りないはずなのに気になる問題(そこにはしばしば大問題が潜んでいますが)まで、遠い異国の人たちのことから毎日顔を合わせる人たちのことまで、皆さんそれぞれに取り組みたいテーマを深め、現地で調査を行い、関心を学問的に昇華させ、世界の見え方を変えるお手伝いができればと思っています。
研究分野 言語人類学、民族音楽学
キーワード 掛け合い歌、民謡、相互行為、中国、プイ族、ラオス、日本(秋田県)
研究テーマ 芸能は文化人類学においてマイナーな研究対象ではありますが、人々のさまざまなコンテクストがそこで密接に絡み合う、非常に興味深い実践です。私はこれまで掛け合い歌を対象に、中国貴州省、ラオスのフアパン県、そして日本の秋田県でフィールドワークを行ってきました。掛け合い歌はその場で歌詞をつけて歌を掛け合う芸能であり、言語表現のやりとりに重きが置かれる点が特徴的です。そこで、掛け合い歌で使われる言語と音楽、そしてこの芸能を支える社会それぞれに目を配り、必要に応じてさまざまな分野を跨ぎながら研究を進めてきました。歌は言語と音楽の交わるところに成立しているため、現在は言語人類学と民族音楽学の両方を行き来しながら、掛け合い歌を捉えようと考えています。最近は関心を広げ、秋田県の民謡愛好家たちの社会についても調査を進めています。
代表的著書,論文等 2013年(単著)『山歌の民族誌-歌で詞藻(ことば)を交わす』京都大学学術出版会
2013年(単著)「中国貴州省の掛け合い歌「山歌」におけるコードスイッチング-言語交替と文化復興のはざまで-」『社会言語科学』15(2):58-65.
2015年(共編著)『世界の手触り-フィールド哲学入門』ナカニシヤ出版
2016年(共編著)『フィールドノート古今東西』古今書院
2021年(共編著) An Anthropology of Ba: Place and Performance Co-emerging. Kyoto University Press and Trans Pacific Press.
所属学会,その他の研究活動等 日本文化人類学会、社会言語科学会、東洋音楽学会、アジア民族文化学会
International Pragmatics Association (IPrA)
The International Council for Traditional Music(ICTM)
担当授業
  • 学部
  • 大学院修士課程
  • 大学院博士課程
  • 全学共通科目
経歴等 1999年 京都大学総合人間学部 入学
2003年 京都大学人間・環境学研究科共生文明学専攻文化人類学分野 修士課程入学
2005年 京都大学人間・環境学研究科共生文明学専攻文化人類学分野 博士後期課程進学
2009年 日本学術振興会特別研究員(DC2, 2009年10月よりPD)(京都大学人間・環境学研究科)
2009年 京都大学人間・環境学研究科共生文明学専攻文化人類学分野 博士後期課程 指導認定退学
2011年 日本学術振興会特別研究員(PD)(国立民族学博物館)
2012年 京都大学より学位授与(博士(人間・環境学))
2014年 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター 非常勤講師(特別研究員)
 そのほか、京都学園大学、龍谷大学、京都文教短期大学、名城大学、京都精華大学にて非常勤講師
2017年 京都大学人間・環境学研究科 文化人類学分野 助教
人間・環境学研究科パンフレット
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