専攻/講座 人間・環境学/言語科学
総人学系
所属機関/部局 国際高等教育院
電子メール yanase.yosuke.3n(at sign)kyoto-u.ac.jp
個人ページ Website

Message to the prospective students

論文指導は、下記の私の研究アプローチに即したものになります。重要概念を分析する理論的研究、実践者の実践知を対象化し言語化する実践的研究、実践知の分析をさらに深める理論的な実践的研究などの指導が中心になります。いわゆる量的研究・質的研究という区分で言えば、私は、質的研究の方に入ります。言語教育研究から複合性や(複数の)主観性などを捨象することは適切ではないと考える応用的・臨床的アプローチをとっているからです。(参考文献:https://doi.org/10.18983/casele.47.0_83 ) ですから、実践の文脈を過度に単純化した実験のわずかの量的データだけで普遍的な因果関係を導出したい学生さんの指導は困難です。
 研究生・修士課程・博士課程での指導を志望する学生さんは、まず下のURLから「論文構想記入フォーマット」をダウンロードして、それを記入して柳瀬にメール添付で送ってください。このフォーマットの提出なしには、次のステップに移りません。
https://onl.tw/FhPU8M6
 フォーマットを私が見て、論文の構想がある程度完成しており、柳瀬が指導可能だと判断したら、次にZoomかSkypeでの面談に移ります。面談では、志望者が論文執筆のための十分な一般的学術能力をもっているか、志望者に修士号・博士号取得のための長い苦労を担う覚悟があるか、志望者と指導者(柳瀬)の間に建設的批判を互いに率直に行える関係性が結べるか、互いの研究スタイルが近いか、などを確認します。時間的にも金銭的にも大きな負担を伴う院生生活を開始する前に、お互いに疑問に思うことを表明し、相互理解を深めておきたいと考えるからです。なお柳瀬の研究スタイルについては、下のブログも参照していただければ理解が進むと思われます。
https://yanase-yosuke.blogspot.com/
 なお、 研究計画を立てる際のコツは「私家版:論文執筆のための5つの手順」(https://yanase-yosuke.blogspot.com/2022/04/5.html) に短くまとめています。
また阿部幸大さんという若い研究者がまとめた下の記事は、人文系研究者が論文を書く際に気をつけなければならないことをよく整理しています。ぜひご一読ください。
https://abc-kd.hatenablog.com/entry/2020/05/16/104120
 もし何か質問がありましたら、電子メールでお尋ねください。(yanase.yosuke.3n@kyoto-u.ac.jp)
研究分野 哲学的言語教育学
キーワード 英語教育・言語教育、実践者研究・実践研究、質的研究、意味
研究テーマ 私の専門は、哲学的な言語教育学です。具体的には、日本における英語教育を対象とした研究をしています。哲学的枠組みとしては、ウィトゲンシュタイン、アレントなどの哲学や、ルーマン(理論社会学)やダマシオ、トノーニ、バレット(神経科学)、あるいはブルーナー(文化心理学)などの哲学的考察を利用しています。哲学的概念を使うことにより、理論的研究、実践的研究、および両者を架橋する研究を行っています。理論的研究では、「コミュニケーション能力」や「ナラティブ(物語)」」といった概念を分析し、それらの言語教育学的含意を明らかにしてきました。現在は特に「意味」の概念についての整理を行っています。実践的研究では、現職英語教師・英語教師志望者の経験の振り返りを分析し、英語教師の成長の道筋を示してきました。現在は特に「当事者研究」などにおける「対話」の働きに着目しています。科学知と実践知を架橋する研究については、これまで言語教育の将来的展望を示す論考を公刊してきました。
代表的著書,論文等 柳瀬陽介 (2022) 「機械翻訳が問い直す知性・言語・言語教育 -- サイボーグ・言語ゲーム・複言語主義」 『外国語教育メディア学会関東支部研究紀要』No. 7, pp. 1-18.
柳瀬陽介 (2021) 「学校英語教育は言語教育たりえているのか -- 意味の身体性と社会性からの考察」 『KELESジャーナル』 No.6, pp. 6-23.
柳瀬陽介 (2020) 「当事者の現実を反映する研究のために 複合性・複数性・意味・権力拡充」 、淺川和也・田地野彰・小田眞幸編 (2020) 『英語授業学の最前線』ひつじ書房所収
Y. Yanase (2020) The distinct epistemology of practitioner research: complexity, meaning, plurality, and empowerment. JACET Journal. No. 64, pp. 21-38.
柳瀬陽介 (2018)「なぜ物語は実践研究にとって重要なのか―読者・利用者による一般化可能性」『言語文化教育研究』No. 16, pp. 12-32
柳瀬陽介 (2018) 「意識の統合情報理論からの基礎的意味理論―英語教育における意味の矮小化に抗して―」 『中国地区英語教育学会研究紀要』 No. 48, pp. 53-62.
柳瀬陽介 (2017) 「英語教育実践支援研究に客観性と再現性を求めることについて」『中国地区英語教育学会研究紀要』 No. 47, pp. 83-94.
Y. Yanase (2017) Pedagogical grammar: how should it be designed? in A. Tajino (ed) “A new approach to English pedagogical grammar: the order of meaning.” pp. 26-38.
柳瀬陽介・小泉清裕 (2015) 『小学校からの英語教育をどうするか』岩波書店
所属学会,その他の研究活動等 全国英語教育学会、大学英語教育学会、言語文化教育研究学会、日本言語テスト学会、ASIA TEFL, American Association of Applied Linguistics
担当授業
  • 学部
  • 大学院修士課程 言語教育設計学
  • 大学院博士課程
  • 全学共通科目 英語ライティング-リスニング
経歴等 2020年4月より:京都大学大学院 人間・環境学研究科 共生人間学専攻 認知情報学系 外国語教育論 言語教育研究開発論 協力教員
2019年4月より:京都大学 国際高等教育院 附属国際学術言語教育センター 教授
2012年4月より:広島大学大学院 教育学研究科 英語教育学専攻 教授
2001年4月より:広島大学大学院 教育学研究科 英語教育学専攻 助教授
1999年4月より:広島大学 教育教育学部 助教授 
1991年4月より:広島修道大学 法学部 講師(教養英語担当)

柳瀬 陽介 (やなせ ようすけ)教授へメールで連絡する

    (※本学の学生の皆さん: 授業関係の問い合わせについては,授業で指定の連絡方法があれば,そちらを使って下さい)




    (※ ご指定のアドレスはご連絡のために利用させていただきます)






    人間・環境学研究科パンフレット
    English