研究分野	放射線生物影響、放射線教育、放射線安全管理
キーワード	長期低線量被ばく影響、α線照射影響、放射線防護、原子力災害被災地域復興支援、放射線リスクリテラシ―に関する人材育成
研究テーマ	主な研究テーマは、以下の３つです。 ① 長期低線量率放射線被ばくによる生体影響についての数理モデル構築研究 　世界初の遺伝性影響に関する線量率応答性数理モデル「WAMモデル」の構築研究を端緒に、WAMモデルのシミュレータ開発や、がん治療への応用研究などを展開して参りました。現在もさまざまな学問的背景をお持ちの専門家の皆様と協力し、長期低線量率放射線被ばくによる生体影響について、学際的な研究を進めています。 ② ポロニウム210マイクロ線源を用いたアルファ線細胞照射影響観察システムの開発 　近年我々が開発したHe2+イオン（α線）一細胞照射影響観察システムは、顕微鏡下で標的となる１個の細胞に対してHe2+イオンを照射し、その照射によって細胞内外で変動する分子の挙動をリアルタイムで観察することが可能な全く新規の細胞照射系です。このシステムを用い、分子細胞レベルでの影響研究などを行っています。 ③ 放射線初学者向けの学習教材及び実践的学習プログラムの開発 　家庭で楽しみながら放射線の基礎を学べる初学者向け学習教材の作製（カードゲーム「ラドラボ」など）や、中高での放射線リスクに関するディベート学習支援、大学生との福島県原子力災害被災地訪問活動などを実施してきました。
代表的著書，論文等	代表的図書： 田中 司朗, 角山 雄一, 中島 裕夫, 坂東 昌子「放射線 必須データ32:被ばく影響の根拠」創元社 論文： 1) Gondo, Y, Uchimura, A, Yoneya, M, Tanaka, S, Komura, J, Kimura, M., Ohno, M, Toki, H, Bando, M, Tsunoyama, Y, Matsumoto, Y, Maki, H, Shimada, S. A multidisciplinary challenge to assess the next-generation risks of low-dose-rate long-term gamma-ray exposure by whole-genome sequencing in the mouse model. Proceedings of ICRP 2023: 7th International Symposium on the System of Radiobiological Protection (2024) in press. 2) Bando, M, Tsunoyama, Y, Suzuki, K, Toki, H. WAM to SeeSaw model for cancer therapy - overcoming LQM difficulties. Int J Radiat Biol. (2021) 97(2):228-239. doi: 10.1080/09553002.2021.1854487. 3) 角山 雄一; 尾上 洋介; 鈴木 和代; 高西 康敬; 佐 藤 丈; 真鍋 勇一郎; 和田 隆宏; 土 岐 博; 坂東 昌子「遺伝的影響予測シミュレータ「WAMSIM」 ―動植物への低 LET 放射線照射実験における遺伝的影響を予測する WAM モデルシミュレータ―」保健物理 (2020) 55(4), 207-214. 4) Tsunoyama, Y, Suzuki, K, Masugi-Tokita, M, Nakajima, H, Manabe, Y, Wada, T, Bando, M. Verification of a dose rate-responsive dynamic equilibrium model on radiation-induced mutation frequencies in mice. Int. J. Radiat. Biol. (2019) 95, 1414-1420. doi: 10.1080/09553002.2019.1569772 5) Bando, M, Kinugawa, T, Manabe, Y, Masugi, M, Nakajima, H, Suzuki, K, Tsunoyama, Y, Wada, T. Study of Mutation from DNA to Biological Evolution. Int. J. Radiat. Biol. (2019) 95, 1390-1403. doi: 10.1080/09553002.2019.1606957 6) Wada, T, Manabe, Y, Nakamura, I, Tsunoyama, Y, Nakajima, H, Bando, M. Dose and dose-rate dependence of mutation frequency under long-term exposure - a new look at DDREF from WAM model. J. Nucl. Sci. Technol. (2016) 53, 1824-1830. doi: 10.1080/00223131.2016.1164635
所属学会,その他の研究活動等	日本放射線安全管理学会、日本保健物理学会、日本放射線影響学会、日本宇宙生物科学会
担当授業	学部 大学院修士課程 生体機能相関論 大学院博士課程 全学共通科目 放射線概論、ILASセミナー：放射線入門、環境学
経歴等	平成4年3月　東北大学　理学部　卒業 平成6年3月　京都大学大学院　人間・環境学研究科　博士前期課程修了 平成9年9月　京都大学大学院　人間・環境学研究科　博士後期課程修了　博士（人間・環境学） 平成11年4月～　京都大学　放射性同位元素総合センター　助手 平成19年4月～　京都大学　放射性同位元素総合センター　助教 平成22年4月～　 京都大学　環境安全保健機構　助教 令和4年10月～現在　京都大学　環境安全保健機構　准教授 令和5年 4月～現在　大阪大学　核物理研究センター　招へい准教授